経産省 蓄電池20 kWh超を事故報告対象に追加
経産省は、電気関係報告規則を改正し、20 kWh超の電力貯蔵装置(蓄電池)を事故報告の対象に追加した。
昨年3月に、鹿児島県伊佐市の太陽光(1000㎾、ハヤシエネルギーシステム所有)に併設された、蓄電池(7000kWh、韓国・LG化学製)建屋で発生した爆発・火災により、消防隊員4人が負傷する事故を受けて、電気事業法に基づく事故報告の対象を変更。蓄電池に関する事故情報を着実に収集することで、類似事故の再発防止策に関する検討につなげる。
電事法に基づき、事業用電気工作物または小規模事業用電気工作物で発生した重大な事故については、設置者に対して同省への報告を義務付けている。蓄電池は電事法において、電力貯蔵装置として規定され、発電所、変電所、需要設備などを構成する設備の一つに位置付けられている。その一方で、これまでの規則では、風力、太陽光などの各電気工作物に附属して設置される蓄電池は、主要電気工作物にあたらず、蓄電所に設置される蓄電池についても、1万㎾以上、または8万kWh以上の大規模な装置に限って、同工作物とされていた。結果として、国内の蓄電池に関する事故のほとんどが、事故報告の対象外となっていた。
今回の規則改正で同省は、〇各電気工作物に附属して設置する20 kWh超の電力貯蔵装置、〇蓄電所に設置する同容量の電力貯蔵装置―を主要電気工作物に定めた。さらに告示改正により、電力貯蔵装置を「主設備」に定めることで、国内の産業用蓄電池に関する事故の大部分を、報告対象とした。なお、専ら非常用として使用される電力貯蔵装置は、通常は通電しておらず、破損した場合に火災などが生じるリスクが小さいため、主要電気工作物の対象外となる。


