エネ庁、国交省 洋上風力公募見直し対応整理
経産省エネ庁と国交省は、再生可能エネルギー海域利用法に基づく、洋上風力の公募制度について、①事業実現性評価の配点引き上げ、②より精緻な事業実現性の採点、③迅速性の配点の引き下げとスケジュールの柔軟性の確保、④適切な供給価格で入札されるための価格点の設計、⑤落札制限の適用、⑥選定事業者が撤退した際のルール設定―に関する見直しの方針を示した。
同公募における第1ラウンド3海域(秋田県能代市・三種町・男鹿市沖、同県由利本荘市沖、千葉県銚子市沖)の事業撤退が公表されたことを受けて、落札者の三菱商事へのヒアリングなどを通じ、事業撤退が生じた要因の分析を実施。その結果浮き彫りとなった、洋上風力の事業環境に関する課題を踏まえて、次回公募から、資材価格などの変動を基準価格・調達価格に反映する、価格調整スキームを適用するなどの対応をこれまでに決定。このほど開催した合同会合では、さらなる課題対応について整理し、同制度見直しの方向性を示した。
事業実現性評価に関しては、実現性の乏しい事業計画が提出される可能性を考慮して、迅速性評価の配点を20点から10点に変更する。一方で、事業完遂の観点から、計画の実行面に関する配点を20点から25点に引き上げ。電力安定供給の項目に、サプライチェーン形成の観点を追加した上で、評価点を20点から25点に見直す。
さらに、より精緻な採点を行うため、これまでの評価区分を廃止する。「最低限必要なレベル」から「トップランナー」まで、5つの区分ごとに配点している現行の評価方法では、同じ評価区分となった場合に、その中で優れていても同じ得点になる―ことを指摘。新たな仕組みとして、評価項目ごとに事業を完遂する上で検討が必要な項目を、公募占用計画の様式に記載し、それらが記載されているかをチェックする「基礎的な基準」と、同項目の内容について、より詳細または具体的に検討しているか、その内容が適切か―をチェックする「高度な基準」により評価を行うことを提案した。
適切な供給価格での入札を図るため、調達価格等算定委員会の意見を踏まえて設定する供給価格上限額に対し、事業者の現実的な創意工夫を織り込んだ価格を供給価格下限額として設定。上限額を上回る場合と同様に、下限額を下回る場合は、失格とする考えを示した。価格点として、下限額での入札に対しては満点(120点)、上限額については、その時点の事業環境に応じて設定し、黎明期にあたる現時点では100点を与える設計とする。
他方で、選定事業者が撤退した際のルールとして、参加資格停止の期間を定量的に定めることはせず、その後初めて事業者選定が行われる公募に参加できない規定を設ける。参加資格停止の対象には、選定事業者(特別目的会社の場合は公募占用計画に構成員として記載する者を含む)だけでなく、同事業者の親会社や、親会社の子会社も含めるなど、現行以上の規律を検討する。なお、既に公募実施済みの第1~3ラウンドの事業については、入札時にこれらの整理がされていなかったため、資格停止の対象は選定事業者のみとする。
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