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エネ庁 FIT・FIP価格算定へヒアリング

 経産省エネ庁は、今年度のFIT・FIP制度における価格算定や入札制度の在り方に関して、再生可能エネルギーの各事業者団体に対するヒアリングを実施する。今日31日に調達価格等算定委員会の第106回会合、来月4日に第107回会合を開催し、太陽光・地熱・バイオマス事業者団体と、風力・水力事業者団体へのヒアリングを、それぞれ行う。その上で、同4日には、第108回会合も設けて、両制度における今後の価格設定の在り方を検討する。
 今年度の議論にあたって同庁は、インフレによる建設費の上昇などが見られる中でも、引き続き再エネの事業環境整備を図りながら、コストダウンを目指すことが重要―との考えに基づき、自立化に向けた支援の在り方を検討する方針を提示。コストダウンに向けた各電源の進捗状況を踏まえて、それぞれの状況下における論点を示した。

 具体的には、①コストダウンが進展している・見込まれる(太陽光、陸上風力)、②中長期的なコストダウン策を検討すべき(中小水力、地熱)、③コストダウンを目指すべき(洋上風力)、④自立化への課題が大きいコスト構造にある(バイオマス)―の各電源に区分。既にFIT・FIPによらない案件形成が進んでいる太陽光、陸上風力については、自立化に向けた道筋の検討を加速させる必要性を示した。特に、大規模な事業用太陽光に関しては、27年度以降の支援の在り方、価格水準など具体的な自立化への検討を加速する。
 開発リスク・コストが高い―という特徴を持つ地熱については、官民の役割りやリスク分担の在り方、自立化に向けたコスト低減の見通しについて、関係審議会などが議論を進めているところ。新規開発点において、JOGMECが自ら探査・掘削を実施し、その結果を事業者に提供する取り組みが、資源・燃料分科会などで検討されている。同取り組みが拡充した場合は、官民の役割り・リスク分担に変化が生じることになり、同庁は、これらの検討も踏まえて、調達価格・基準価格などの設定について検討する。
 投資額が大きく、総事業期間が長いことによる、収入・費用の変動リスクが大きい洋上風力は、自立化へのコスト低減や産業基盤の構築に関して、中長期的見通しを明確にし、その意義を改めて確認した上で、支援の在り方を検討する。バイオマスは、発電コストの大半を、燃料費を含む運転維持費が占めており、FIT・FIP制度の支援終了後における事業の安定継続など、自立化への課題が大きい電源―と指摘。そうした特性を踏まえて、支援の在り方については、コスト低減を進める上で重要となる、燃料サプライチェーンの強化・構築の状況を確認し検討を進める。