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九州電 実証で可搬式充電設備の汎用性確認

 九州電力が、日立建機と共同開発した可搬式充電設備「Go‐ENE」を用いた、全国初となる献血会場での実証実験が先月末、千葉市の幕張メッセ国際展示場で行われた。

 同設備は、メインユニットとサブユニット、急速充電ユニット―の3パーツを自由に組み合わせて現場に導入する「施工現場におけるゼロ・エミッション化の需要に応え得る製品」で、昨年9月より、日立建機が先行販売している。
 特徴的なのは「組み合わせによるフレキシブルな利用法」で、電気容量を拡大したい場合には、メインユニットにサブユニットを追加接続することで同対応が可能になるほか、充電時間を短縮したい場合は、メインユニットに急速充電ユニットをつないで充電すれば「要する時間が半分に短縮できる」ため、現場の状況に応じて電動建機の充電が可能となる優れた特性を持つ。そのため日立建機は、現場で用いる照明や電動機器の電源のほか、EVへの充電や災害時の非常用電源としての応用なども視野に入れている。
 販路拡大に向けて同社は、千葉県赤十字血液センターの協力を得て、同センターが幕張メッセで先月29~31日に行った屋外献血会場の受付・問診・休憩エリアに同充電設備を配備して、電力を供給する実証を行った。その結果、35℃超の酷暑の下での屋外での有効性と、4日間連続運用にも耐え得る耐久性が確認できた―という。実証に協力した血液センターのスタッフも「作動音が静かで排ガスや震動も全く発生させないため、献血会場はもちろん、医療や福祉の現場などでも安心して活用できる」と、同充電設備の性能を高く評価していることから、同実証の成果を基に日立建機は今後、同充電設備の市場拡大に注力する方針。

 3年連続で過去最高の平均気温を更新する今夏の苛酷な環境下、九州電開発の同充電設備は大きな福音となりそうだ。