エネ庁 特高需要申し込み状況8月から公表
経産省エネ庁は8月中を目処に、連系が予定されている特別高圧需要の申し込み状況を、送配電網協議会のホームページ上で公表する。
データセンター(DC)などの大規模需要の増加が想定される中で、連系予定の特別高圧の需要に関する情報は、今後新規に立地を検討している発電側・需要側、双方の事業者にとって有益―と判断。過去の最大需要の情報と合わせて、エリア別、年度ごとの新規連系となった特高需要の容量、契約申し込みを受け付け中の特高需要の容量について、四半期を目途に定期的に公表する。
最大需要実績は、公表の前年度の実績を使用する。年度ごとの新規に連系となった特高需要の容量は、年度ごとにリセットする。これらの情報について同庁は、5年度先までの情報を公表し、大規模需要の申し込みが頭打ちになるなど、状況に変化が生じた場合は、公表の要否を改めて検討する考え。同公表に伴って今後、系統情報の公表に関するガイドライン「系統情報の公表の考え方」を改訂する。
近年のAI需要の高まりと共に、DC建設、DCによる電力需要が増加する見通し。既に系統接続に長期間を要する事例や、将来の立地を見据え、先んじて系統接続を抑えておくような事例も発生している。そうした状況を踏まえて同庁は、次世代電力系統WGを通じて、今後の送配電設備の形成について検討を進めているところ。具体的には、先着優先の在り方、設備形成・費用負担の在り方、設備の最大限活用などを論点に挙げており、このほど開催したWGでは、特定の条件を課した上で、大規模需要の早期連系を認める、新たなルールの運用を開始する考えを示した。
合わせて、需要家に対する規律強化策として、〇供給承諾から工事費負担金入金までの期間に、一定の期限を設ける、〇適切なタイミングまでに用地取得の状況について説明を求める、〇一定期間内に最終需要規模に契約電力を引き上げることを求める―といった対応の検討も提案。これらの検討をさらに進めるため、現時点で大規模需要の接続協議が多く発生している、東京・関西・九州エリアを対象に、大規模需要の実態把握を目的とする調査を実施する。
同調査は、一般送配電事業者から需要家に対して任意で実施する。系統接続手続きが滞留している案件や、仮押さえといった過大な接続申し込みと考えられる案件について、その原因を調査する。連系後の設備所有者・設備運用者や用途について、需要家がどのように想定しているか―を調査し、申し込まれた需要の実現可能性・蓋然性など、需要動向の背景を把握。また、事業性検討の進捗度合いを把握するため、 用地の交渉・取得状況などを調査する。調査結果については今夏中にも集約し、適宜対応に反映する。
