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エネ庁 産学連携の洋上風力人材育成を推進

 経産省エネ庁は今年度、洋上風力の人材育成につながるカリキュラムやトレーニングを、30年までに延べ5000人が受講することを目指して、支援事業を推進する。今年度予算6.5億円を充当し、洋上風力の導入拡大に向けた人材育成を加速するもので、対象費用の3分の2を交付する補助金公募を今夏にも実施する。民間事業者や教育機関、公的研究機関などが実施する、洋上風力に関する人材育成のためのカリキュラムの策定をはじめ、カリキュラムの実施に必要な実験設備、風車のメンテナンスや洋上作業訓練を行うためのトレーニング施設―などの整備を目的とした事業を後押しすることで、産業界のニーズに即した国内人材の育成を推進し、長期・安定的な洋上風力の促進を図る。
 同支援は、〇事業開発(ビジネス・ファイナンス・法務)、〇エンジニア(設計・基盤技術・データ分析)、〇専門作業員(建設・メンテナンス)―の分野で必要となるカリキュラム、訓練施設の整備が対象。昨年度の補助金公募では、前年度に続いて、東京電力リニューアブルパワー(RP)、JERAなどの民間事業者が、大学と連携して取り組む「産学のコンソーシアムによる洋上風力発電大学教育カリキュラム等整備事業」が、事業開発の分野で採択された。
 長崎大学を代表とする同事業は、地元にウインドファーム計画がある地方大学が広域に連携して、東電RP、JERAのほか、中部電力、九電みらいエナジー、三菱商事洋上風力、ENEOSリニューアブル・エナジーの発電事業者とコンソーシアムを形成。洋上風力プロジェクトの統括的業務を行うと共に、発電所建設・運営を主導できる人材育成のための「仕組み」と「カリキュラム」の策定を目指す。22年度に策定した骨子案を基に、〇短期インターンの高度化、〇長期インターンの実現、〇ニーズ・シーズマッチングの仕組み、〇社会人の参画を促進する仕組み―などの検討を進めており、今年度以降には、産学連携型共同講座の実施も計画。従来の大学教育では実現できなかった新たな手法の導入に向けて、産学連携で取り組みを推進する。