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関西電 南港火力ゼロカーボン化検討を推進

 関西電力は、高経年化に伴う南港火力(LNG、計180万㎾)更新計画について、ゼロカーボン化に向けた検討を推進する。990年から991年にかけて計3基を導入した同火力は、運開後30年以上が経過した同社で最も古い火力設備となっており、関西電は23年3月に環境影響評価法に基づく配慮書、同11月に方法書を経産省へ提出し、リプレースに向けた検討を進めているところ。同計画では、高効率GTCCに更新することで、発電効率を現状の約44%から約63%へ約4割高めると共に、CO2排出係数も約3割低減させる見通し。当初より、ゼロカーボン火力に取り組むことを表明し、水素、アンモニアなどのゼロカーボン燃料や、CCUS(CO2回収・利用・貯留)技術の導入を検討。このほど経産省が実施した、アセス方法書審査での補足説明資料を通じて、これらの検討を進める考えを改めて提示した。
 50年カーボンニュートラルの実現に向けて、同社は昨年11月、JR西日本、NTT、パナソニックなど6社共同で、「姫路エリアを起点とした水素輸送・利活用等に関する協業の基本合意」に基づき、水素サプライチェーンの確立を目指した調査・検討を開始。同取り組みでは、将来の水素混焼への対応も可能なガスタービンの採用を検討している。また、アンモニア関係では、IHI、三井化学、三井物産と共に、大阪臨海工業地帯でのアンモニアの受け入れ、貯蔵、供給拠点の整備などに関する検討や、関西・瀬戸内地域での利活用先の拡大に向けた調査に取り組んでいる。
 CCUSについては、今年1月に「姫路第二発電所におけるCO2分離・回収技術に関する試験設備の建設および実証試験に向けた覚書の締結」を公表し、三菱重工業と共に排ガス中のCO2分離・回収に関する実証試験を開始。さらに、〇JOGMECからの「CO2回収および輸送に関する調査委託業務」の実施、〇日本CCS調査、川崎重工業などがNEDOから受託した「CO2分離回収技術の研究開発事業」「液化CO2船舶輸送実証試験事業」への協力、〇JFEスチールとのCCS事業の共同検討・調査、〇コスモエネルギーホールディングスとの堺泉北エリアでのCCSバリューチェーン構築に向けた共同検討、〇商船三井、川崎汽船などとのCCSのバリューチェーン構築を目指した事業性調査―を通して、CCUSの導入に向けた様々な事業を推進する。
 南港火力の更新では、既設設備エリアに、ゼロカーボン燃料やCCUSなどを導入するために必要なスペースを確保することを計画しており、これらの検討を踏まえて、同社は今後、南港火力への導入の実現可能性や時期などを見極めたい―との考えを提示。26年度の着工、29年度新1号機、30年度新2・3号機運開を目指して取り組みを進める。