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電力10社 課電洗浄の適用拡大し汚染処理推進

 電力10社は、低濃度PCB含有電気工作物の処理にあたり「課電自然循環洗浄法」の適用範囲を拡大して推進する。低濃度PCB汚染機器については、簡易定量や迅速判定に関する複数の測定技術を開発し、汚染を特定した上で早期処理に取り組み、02年時点で約470万台存在した同汚染機器は、22年度末に台数の約97%、油量の約91%の処理が完了。26年度末には、同約99%、約97%までの処理が終わる見通しを示した。このほど開催された環境省の「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」で、電気事業連合会が同機器の処理実績と今後の処理について説明した。
 10社は、汚染機器のうち使用済み・使用中の柱上変圧器、使用済みの大型変圧器、その他の使用済み電気機器―のいずれも27年3月までに全量処理する見通しを提示。測定技術の開発により、大量・迅速な分析が可能になって以降、電力の安定供給に支障が出ないよう、停電調整を行いながら使用中機器の汚染特定、届け出を進めて早期処理を行っており、今後も工法・工程の見直しや、施工力の確保に取り組み、計画的な汚染特定・処理を推進する考えを示した。
 一方で、大型変圧器に関しては、本体と異なる油を使用している可能性のある複数の別系統部位が存在し、これらは製造出荷後に、注油・油交換などの絶縁油に関するメンテナンスをする可能性が無い「封じ切り機器」に該当するものが多いことを指摘。使用中での汚染特定は不可能であると共に、汚染の可能性があるすべての機器に対応するには、相当の数量の廃絶・更新が必要で、この中には非汚染機器が多数含まれることになる。さらに大型機器の更新は、設計・製造・据付に時間を要するほか、変電所内や近隣変電所に複数台ある場合は、供給地域の停電要因となるため、同時並行の取り替えはできない―などの課題があり、作業に精通した作業員と資機材の確保が必要となっている。
 そうした中で10社は、微量のPCBを含む変圧器中の絶縁油を、PCBを含まない新油に入れ替え、通電することで、使用中のまま無害化する、課電自然循環洗浄法を開発。15年に経産省と環境省が取りまとめた「微量PCB含有電気機器の課電自然循環洗浄実施手順書」に同手法を提供し、22年度末までに大型変圧器の汚染油約2000万Lに対して、課電洗浄を適用した。同手法の適用対象は、実証試験を行った上で手順書化され、すでに試験を実施済みの部位も含めると、約97%まで対象範囲が拡大する見通し。10社は今後も、対象拡大について実証を進め、油量の多い汚染大型変圧器を中心に、課電洗浄の適用を推進する考え。