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KANSOテクノス 都市間連携で脱炭素支援

 KANSOテクノスが提案した「ベトナムクアンニン省・ハイフォン市と滋賀県の都市間連携による環境配慮型社会実現の支援事業」が、環境省の「脱炭素社会実現のための都市間連携事業」に採択された。同社は、滋賀県、ベトナムの同省・市と連携し、同省・市の成長産業である、工業と観光業の主要拠点で、脱炭素プロジェクトを実施する。具体的には、都市部における工業団地やホテルを対象に、太陽光発電、廃熱利用チラー、高効率ボイラーなどの設備導入に関するFSを実施。さらに非都市部では、浄化槽、EVごみ回収船、汚泥ガス発電施設を整備すると共に、バイオ炭の農地などへの施用に向けたFSに取り組み、産官連携により同省・市の脱炭素化と水環境保全の実現を図る。
 環境省は13年度から、途上国都市の低炭素化を支援する都市間連携事業を展開しており、このほどKANSOテクノスによる事業など18件を、今年度の採択事業とすることを決定した。民間企業と協働して、日本の自治体と途上国のパートナー都市が連携し、パートナー都市の低炭素化につながる案件の発掘・形成調査や、制度構築支援、人材育成などの協力事業をパッケージで展開する取り組みを後押しする。具体的には、同省と契約した企業などと、日本の自治体が連携して、海外途上国の都市・地域における低炭素プロジェクトの形成、脱炭素を推進する基盤制度の構築支援、パートナー都市職員のキャパシティビルディングを実施。パートナー都市の早期の低炭素化と自律的発展を促すと共に、日本企業の販路開拓にもつながる「双方にとってメリットのある事業」(同省)スキームになっている。
 技術移転を支援する事業では、民間企業が独自に、または政府機関などのサポートを受けながら、現地調査から技術の導入までを行うのが一般的だが、官民連携で行う同事業について同省は、「点」の技術導入に留まらず、導入された技術の普及展開を推進する政策提言などもパッケージで行うことで「面」的な広がりを期待。より大きなインパクトの形成が可能―と指摘しており、同連携事業の成果を活用することで、これまでに二国間クレジット制度(JCM)による20件以上の環境インフラ案件が実現した。同省と国際協力機構(JICA)が昨年2月に立ち上げた「クリーン・シティ・パートナーシップ・プログラム」の中核事業にも位置付ける、同事業のさらなる拡大に向けて、同省は、来月頃までに今年度事業の2次公募を行う見通し。