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NEDO 浮体式洋上風力実証へ事業者公募

 NEDOは、来年度から実施する「浮体式洋上風力実証事業」の公募を開始した。グリーンイノベーション基金事業の一環として取り組む、洋上風力の低コスト化研究開発のフェーズ2として、来年度から30年度までの7年間にわたり、風車、浮体、係留システム、ケーブルのシステム全体として、関連技術を統合した実証を行う事業者を募集。同実証を通じて、挙動・性能・施工性・コストを考慮した一体設計により、浮体式洋上風力の信頼性向上と低コスト化を目指しており、30年度までに風況などの一定条件下において、国際競争力のある価格で浮体式洋上風力を商用化する技術を確立する。コスト目標は、米国の35年0・045㌦/kWh、洋上風力の導入目標達成に寄与する生産目標については、30基/年・社程度―を参考水準に、内外価格差、風況なども踏まえて、水準達成への課題・道筋を示す。
 公募では、昨年10月に経産省が公表した、〇北海道石狩市浜益沖、〇北海道岩宇・南後志地区沖、〇秋田県南部沖、〇愛知県田原市・豊橋市沖―の4海域の中から1か所を選択し、実証事業の実施計画を策定することを応募者に求める。補助率は2分の1を基本としており、先行的に取り組むフェーズ1の成果を活用した案件には、3分の2と高い補助率を適用することで、事業者間の連携を促し、競争力のあるサプライチェーン形成につなげる。実証規模は、3万㎾以下を基本とし、単基出力1万㎾以上を想定する。NEDOは同事業に対し総額850億円を負担する。3月25日まで応募を受け付け、5月下旬にも交付先を決定する。
 なお、洋上風力の低コスト化に向けた研究開発として、要素技術開発を行うフェーズ1では、①次世代風車技術開発事業、②浮体式基礎製造・設置低コスト化技術開発事業、③洋上風力関連電気システム技術開発事業、④洋上風力運転保守高度化事業―を実施。このうち②では東京電力ホールディングス(HD)と東電リニューアブルパワー(RP)が「浮体式基礎製造・設置低コスト化技術開発事業(大型スパー浮体)」、③においては東電RPと東北、中部、北陸、関西、四国の5電力、九電みらいエナジー、Jパワーなどが「低コスト浮体式洋上風力発電システムの共通要素技術開発(ダイナミックケーブル・洋上変電所・変換所)」、④では東電RPと東芝エネルギーシステムズが「洋上風力運転保守高度化事業(デジタル技術による予防保全・メンテナンス高度化)」、関西電と関電プラントが「浮体式風車ブレードの革新的点検技術の開発」―に取り組んでいる。