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エネ庁 予備電源費用レベニューキャップで

 経産省エネ庁は、予備電源制度における費用について、レベニューキャップ制度での収入見通しの一部として回収することを提案した。大規模災害などによる電源の脱落や需要の急増など、追加の供給力を確保する必要が生じた際に、稼働できる休止電源を確保するため、予備電源制度の詳細検討を進めており、このほど開催した電力・ガス基本政策小委制度検討作業部会で、費用回収をはじめ、実施主体における同制度の位置付けなどに対する考えを示した。同制度は、容量市場のオークションにおいて、2年連続不落札、または未応札の電源を対象としており、容量市場に応札可能な電源種などを参考に、まずは火力のみを対象にする考えを提示。今後、容量市場の不落札電源などの状況を見ながら、必要に応じて対象電源種を見直す。
 また、容量市場や㎾公募における最低入札容量が、1000㎾であるのに対して、予備電源制度では、供給力不足が顕在化した際への備えといった観点から、一定容量以上の電源を確実に備えることが望ましい―と同庁は指摘した。事前届出制に基づき、休廃止予定日の9か月前までに届け出る必要がある電源規模や、発電情報公開システム(HJKS)で、停止や出力低下などの情報開示を求める基準、長期脱炭素電源オークションにおける最低入札容量―などが、いずれも10万㎾であることを踏まえて、予備電源制度の最低応募容量も10万㎾とすることを提案した。
 さらに、電力広域的運営推進機関を主体として実施する同制度の費用は、託送料金で回収する方針を固めており、今後、広域機関が一送電から支払いを受けて、予備電源を保有する発電事業者へ必要な費用を支払うスキームとなる。その際に、広域機関における支払いの仕組みとして、同じく同機関が実施主体となり、託送料金負担で供給力を確保する制度「電源入札等」の一類型と位置付けることを想定。一方で、一類型と位置付けた場合には、電気事業法に基づく託送料金の特例認可により対応する―とされているが、特例認可は「託送供給等約款により難い特別の事情がある場合」に限られるため、供給力不足に備えて、あらかじめ休止電源を募集する予備電源を、特例認可の対象にすることは適切でない―と判断。予備電源の費用は、特例認可ではなくレベニューキャップ制度の収入見通しの一部として回収すると共に、同制度上での詳細な取り扱いは、電力・ガス取引監視等委員会で検討を進める考えを示した。