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エネ庁 トラッキング需要増に電源証明化検討

 経産省エネ庁は、電源種や発電所所在地などのトラッキング情報が付与された非化石証書について、電源証明化を検討する考えを示した。FIT証書を対象として19年2月から、FIT電源の属性情報を明らかにするトラッキングスキームの実証を開始。非FIT証書についても、21年8月から同実証を開始しており、今年度には国による同実証を日本卸電力取引所に移管して、本格的な運用を開始している。昨年創設された「再エネ価値取引市場」における約定量の増加に伴って、トラッキングの需要・参加事業者は共に増加しており、同庁は、今後も着実な増加が見込まれる―と判断。現状では、トラッキング情報の供給可能量は需要量を大きく上回り、マクロ的に不足は生じていないものの、例えば都道府県別では、宮城県での再エネ電源情報に対する供給量に対して、需要量が相対的に多いため、トラッキング情報の需給が比較的タイトになりつつある―といったミクロ的な需給バランスを踏まえて、今後のトラッキングのあり方について、検討を進める考えを示したもの。
 現行のトラッキングは、非化石証書の購入者に対して、希望する電源の属性状況を、約定後に後付けする形式を採用しているため、証書価格には電源の性質に応じた、価値の差異が反映されていない。そのため同庁は、トラッキング手続きに一定の手数料を取ることや、電源証明化して証書価格そのものに差が生じるような方策を検討することで、今後のトラッキング情報に対する需要の増大に備える。既報の通り、今年10月時点で世界23か国の主要企業383社が加盟し、このうち最大のアメリカに次ぐ73社の日本企業が参加する、国際イニシアチブ・RE100では、活用する再エネ電力に、トラッキングの付与を必須としている。