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自然エネ財 RE100要件改定について解説

 自然エネルギー財団は今月24日、国際イニシアチブの「RE100」が先月改定した、再生可能エネルギー電力の調達について定める「技術要件(テクニカル・クライテリア)」に関するワークショップを、オンラインで開催する。同枠組みには、今年10月時点で世界23か国の主要企業383社が加盟しており、このうち日本企業はアメリカ98社に次ぐ73社が参加。これらの加盟企業が24年1月以降に調達(契約締結)する電力に対しては、新しい技術要件を適用することが求められるため、昨年9月からRE100のテクニカル・アドバイザリー・グループのメンバーを務める、同財団の石田雅也・シニアマネージャーが、同技術要件の改定ポイントを解説するワークショップを実施。同要件は、加盟企業に限らず多くの需要家にとって、再エネ調達での指針となることからも、多くの参加を期待している。

 同技術要件の改定では、再エネ電力の調達方法を①需要家が発電設備を所有する「自家発電」、②特定の発電設備と契約する「直接調達」(コーポレートPPA)、③小売り事業者から購入する「電力供給契約」、④再エネの環境価値を購入する「エネルギー属性証書」、⑤特定の国・地域で認められる「標準供給電力」(日本は該当しない)―の5つに集約。それぞれの調達方法ごとに、CO2削減効果の大きさを考慮して新たな要件を定めた。このうち、需要家が再エネの拡大に貢献する自家発と直接調達については、CO2削減効果が明確なため、従来通り制限は設けず、送配電網を経由して電力を供給するオフサイトのコーポレートPPAに限って、運開時に長期契約を結ぶことが前提となる。

 小売り事業者からの電力調達と、非化石証書・グリーン電力証書・Jクレジットといった、エネルギー属性証書の購入においては、運開から15年以内の発電設備であることを規定。ただし、年間電力使用量の15%までは、同要件を満たさない電力や証書の使用が例外的に認められる。さらに、バイオマスと水力については、持続性のあるものに限定し、ISO(国際標準化機構)などの第三者認証によって、持続性を証明できる発電方法や燃料を推奨。水力は、環境負荷の小さい発電方法であることを、NGO(非政府組織)などの認証によって証明することが新たに求められる。