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NEDO 洋上風力の水産生物生態影響を調査

 NEDOは、洋上風力による水産生物への生態影響に関する調査に乗り出す。19年4月に施行された、海洋再生可能エネルギー設備の整備に関する海域利用法を契機に、洋上風力導入の機運が高まる一方で、大規模な洋上風力の建設時・運転時において、発電設備の周辺に生息する水産生物への影響に関する知見は、未だ限定的な状況にある―と指摘。海外の調査事例も踏まえて、今後約1年間にわたり、洋上風力の存在によって生じ得ると懸念されている、漁獲対象生物種への生態影響を把握するための基礎的な調査を実施した上で、今後取り組むべき課題を抽出・整理する。
 具体的には、同生態影響の研究に関する国内外の論文などを調査し、水産生物への生態影響として解明されている事項と不明確な事項を整理。さらに、国外の水産生物への生態影響に関する報告事例と、国内の生物種や漁場環境などの類似点・相違点を分析し、既存の知見から国内での影響予測がどこまで可能か―を精査すると共に、追加で検証が必要な論点を整理する。これらの既存研究調査に加えて、生態影響を把握するための室内実験も実施。洋上風力の建設時を想定して、水中音と震動が水産生物の生態に与える影響を把握するため、実験対象の魚種や曝露する音圧・震動レベルなどについて、複数の条件を設定し、生理的反応や音圧・震動レベルとの関係などを測定する。同調査を踏まえて、再エネ海域利用法に基づき設置された協議会において議論されている、漁業影響調査手法の策定につなげる。