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政府 オールジャパンでダム再生を国際展開

 政府は、今年4月に熊本市で開催した「アジア・太平洋水サミット」で方針決定した「熊本水イニシアティブ」に基づき、電力やゼネコン、コンサルなどとのオールジャパンで、アジア太平洋諸国を対象にしたダム再生事業の輸出による日本企業の受注拡大に向けた取り組みを開始する。4年おきに開催される同サミットは、アジア太平洋地域の49か国の首脳を迎えて、ダムや水力を含めた水関連問題をテーマに意見を交わす国際会議。07年に第1回を大分県別府市で開催以降、13年に第2回をタイ・チェンマイ、17年に第3回をミャンマー・ヤンゴンで開催し、熊本大会は第4回となる。同サミットで日本政府が提唱した熊本水イニシアティブは「社会課題の解決を成長エンジンに、持続可能な発展と強靱な社会経済の形成につなげていく『新しい資本主義』に基づく官民協働による『質の高いインフラ整備』への積極的な貢献を目指す」(岸田文雄首相)ための国際貢献事業。同履行に向けて、日本企業が有する治水と発電の両機能を備えたハイブリッドダムの技術を活かした、国交省主導のダム再生事業の国際展開により、各国のCO排出量削減と治水力向上に寄与することを目指す。
 取り組み初年度となる今年度は、東南/南アジアを対象として、日本企業がこれまで建設したダムの中から、再生事業によって具体的な効果が大きく見込めるダムを抽出して、改善提案書を作成する「ダム再生事業による海外ダム水力発電増強等調査」を国交省の主導で、電力のコンサル子会社などに委託して行う。同調査では、各対象国における水力の増強余地や、管理上の問題を持つダムの情報を収集した上で、再生事業に最適なダムを3か所以上ピックアップして、来年3月までに改善提案書を作成する。同提案書に基づく具体的な働きかけは、来年度以降、外務省やJICAが行い、必要に応じて経産省も協力して、日本企業によるダム再生事業の海外受注を後押しする。温暖化と気候変動の影響による大規模水害が世界中で頻発する中「治水と発電の両機能を備えたハイブリッドダムのニーズは高い」(JICA)ことから取り組みの成果が期待される。