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エネ庁 蓄電池設置のFIP価格変更を見直し

 経産省エネ庁は、太陽光などの市場価格を上回る買い取り価格分を補助する、FIP制度への移行案件において、事後的に蓄電池を設置する際の価格変更ルールに関して、今年度の調達価格等算定委員会での見直しを提案した。再生可能エネルギー事業の市場統合を進めるため、今年度から導入したFIPの新規認定案件では、十分にコスト低減された基準価格を適用した太陽光発電に限って、基準価格の変更なしに事後的な蓄電池の併設を認めている。一方で、FIP導入前にFIT認定を受け、その後FIPに移行した案件では、当初想定されていなかった国民負担の増大を防止する―という観点から、事後的に蓄電池を併設し、同蓄電池に充電して売電する場合は、最新の調達価格への変更を条件に、蓄電池の設置を認めている。そのため同庁は、同ルールが、蓄電池の設置を妨げる要因となる可能性を懸念。FIP制度の推進に向けて、国民負担の抑制を前提として、同ルールを見直し蓄電池設置を促す考えを示した。
 具体的には、事後的にパワーコンディショナー(PCS)よりも太陽電池側に蓄電池を設置したFIP移行案件のうち、太陽電池の出力がPCSの出力を上回る、過積載の場合には、発電設備の出力(PCS出力と過積載部分の太陽電池出力)と、基準価格(蓄電池設置前価格と十分に低い価格)の加重平均値に価格変更する方向で検討を進める。なお、過積載率は近年、低圧太陽光を中心に上昇傾向にあり、直近では低圧太陽光の平均で179・4%、高圧以上でも140%前後となっている。現行ルールでは、過積載分の供出による事後的な国民負担増加の懸念から、蓄電池の事後的な設置は最新価格への変更事由となっており、150%過積載を行っている場合でも、ピークカットは年間発電量のうち2%弱に留まる―といった試算もある。