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エネ庁 国要請で海底直流送電計画策定開始へ

 経産省エネ庁は、北海道~東京/東北ルートの海底直流送電に関する検討を加速するため、電力広域的運営推進機関における計画策定プロセスについて、国の要請により開始することを提案した。昨年から同庁をはじめ広域機関、一般送配電事業者のそれぞれが、海底直流送電に関する検討を進め、海外事例調査や机上FS調査などを実施。一方で、国内初となる長距離の海底直流送電を実現する上では、引き続き検討を深めるべき論点が多く残っており、30年のエネルギーミックスの実現に向けて同庁は、一刻も早く取り組みを前に進める必要がある―と判断。そのため、今年度実施する海域の実地調査を含めて、引き続き同庁が事業実施主体、先行利用者との関係、ケーブルの敷設方法といった課題検討を加速すると共に、広域機関による系統整備計画の策定プロセスを、できる限り早期に開始する方向で検討を進める必要性を指摘。このほど開催された再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会において、各課題検討の進捗状況を報告すると共に、今後の検討の進め方について整理し、同小委での議論を求めた。
 同計画策定プロセスは、国の要請、広域機関の発議、一送電の提起―のいずれかによって開始される。同プロセスを早期に開始する場合には、具体的な事業実施主体や整備ルートの目処が立っていない中で進めざるを得ないため、同庁は、プロセス開始までの確認・判断などを必要としない、国の要請によりプロセスを開始することで、政策的に早期実現を目指すことを提案したもの。なお、検討課題のうち既存系統への影響評価などに関しては、同庁が示す一定の前提条件を踏まえて、一送電が系統安定運用の観点から検討を進めている。主に、運転中の送電設備が緊急停止した場合の北海道系統における周波数影響に関して懸念があり、引き続き系統挙動の詳細な確認を進め、必要に応じて講じるべき対策を検討する。また、計画策定プロセス開始後は、広域機関が中心となって各課題検討に取り組む。