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北陸電 ゼロカーボン・レタスの販売が好調

 北陸電力が、22年度を達成年度とする「グループ第一次中期経営計画」で打ち出した「グループ総力による事業領域拡大」の一環として、昨年3月に新設した完全人工光型植物工場運営会社・フレデリッシュを担務会社とする「ゼロカーボン・レタス」の販売が好調だ。同品は、電源構成で約3割を占める水力電源に特定した「グリーン特約(アクアグリーン)」の電気を用いて、福井県敦賀市に設けた植物工場で北陸電が有する農業電化の知見を活かして育成する、グリーンリーフとフリルの2種類のレタス。昨年12月に初出荷して以来、大変好調で、特に露地栽培のレタスが手に入らない今の時期は「貴重な存在で一日で売り切れる」(市内の農産物直売所「旬・ときめき広場」)という。
 再生可能エネルギーによる植物工場の運営は「環境への負荷を減らしながら、同時に食の安定供給も図る」(北陸電)という複次効果を持つ取り組みであると共に、既報のように北陸電と北陸電力送配電が昨年6月に「包括的地域連携に関する協定」を交わした市にとっても「当市の産業振興や活力ある街づくりにつながる事業」(市ふるさと創生課)と高く評価している。加えて、購入者の評判も上々で、前記の農産物直売所でゼロカーボン・レタスを購入した男性市民は「サラダや鍋に入れて食べたら大変おいしかったし、品質が露地ものよりも長持ちする」と称賛する。露地栽培と比べて栽培期間が短く(種植えから約40日で収穫が可能)、天候の影響も受けにくいため、生産量や価格が安定しているのも強みで、現在は1株約200gのレタスを1日あたり4000株生産して、地元の農産物直売所のほか、評判を聞いた東京都や関西圏の外食、総菜メーカーなどに出荷している。北陸電と北陸送配電の協力を得て、ゼロカーボン・シティの実現を目指す市も「ゼロカーボン・レタスは市の環境方針にマッチする」(同)と、地場産業活性化などへの貢献についても指摘する。そのため北陸電は、「環境にやさしいゼロカーボン・レタス」として、同品の商標登録を申請しており、植物工場の設備向上と事業の効率化により、早期に「1日800kgの生産を目指す」考えだ。