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エネ庁 FIP収入の簡易計算ツール公開へ

 経産省エネ庁は、再生可能エネルギーを市場統合するにあたっての段階的な措置として、来年度から導入するFIP制度における、プレミアム・収入の単価、月間・年間総額を計算する「簡易シミュレーションツール」を近く公開する。同制度は、再エネ自立化へのステップとして、電力市場への統合を促しながら、投資インセンティブが確保されるように支援する制度。予め価格目標などを勘案して定める「基準価格(FIP価格)」から、市場取引などにより期待される収入「参照価格」を控除した額「プレミアム単価」に、再エネ電気供給量を乗じた額を基礎として、1か月ごとに再エネ事業者に交付する仕組み。さらに制度開始当初は、バランシングコストの水準に配慮して、kWhあたり1.0円を交付し、徐々に低減させる経過措置を講じる。
 こうした仕組みにより同庁は、FITからFIPへの移行にインセンティブを持たせて、市場を創出するのが狙い。FIPの対象は、1000㎾以上の太陽光(入札)・地熱(入札対象外)・中小水力(同)で、50㎾以上のこれらの電源と風力(入札対象外)、FIT認定設備については、事業者が希望する場合はFIPの選択も可能。同庁は同制度の導入に伴い、同庁ホームページで提供する、再エネ特措法関連情報に、同制度に関する情報を掲載。公表されている、参照価格の決定に必要なデータとして、JEPXスポット市場・時間前市場、非化石価値市場の取り引き結果や、FIT基準価格をはじめ、各一般送配電事業者の供給実績へのリンクを示した。加えて電源種や発電エリア、基準価格を入力すると、期待される収入が簡易に計算できるシミュレーションツールを今後掲載し、円滑な制度移行を図る。