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環境省 グリーンボンドGL見直しへ明日初会合

 環境省は明日16日、「グリーンファイナンスに関する検討会」の初会合を開催し、グリーンボンドガイドライン(GL)などの見直しに関する検討を本格的に開始する。パリ協定を踏まえた政府の目標達成には、民間資金の大量導入が不可欠―との判断から、国内における再生可能エネルギーなどのグリーンプロジェクト資金を調達するための債権、グリーンボンドをはじめとしたグリーンファイナンスの普及を図るため、同GLを17年3月に策定。昨年3月に改訂すると共に、「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンGL」などを策定し、その発行規模も年々拡大している。一方で、昨年6月に国際資本市場協会がサステナビリティ・リンク・ボンド原則を改訂、今年6月にはグリーンボンド原則を改訂するなど状況が変化。国内のGLも国際的な原則と整合させる必要性が生じている。
 そのため同省は、金融庁、経産省、日本銀行や全国銀行協会、日本証券業協会などをオブザーバーに、電力中央研究所の上野貴弘・社会経済研究所研究推進マネージャー(サステナビリティ)上席研究員や、金融業界からの有識者などを委員に迎えた同検討会を設置。国際的な議論の動向、国内施策の進展などを踏まえたGLの見直しに着手する。今後4回程度、同検討会を開催する予定で、各委員による自由な意見交換を行うため、会合は非公開で行い、資料・議事要旨は会合終了後に同省ホームページで公表する。
 世界のファイナンス市場では、特に気候変動分野を中心に品質確保が課題となっており、政策的にグリーン性の意義を厳格化・明確化する動きも進んでいる。加えて、トランジションファイナンスなど、企業全体の脱炭素に向けた戦略を評価する議論や、気候変動におけるTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の自然資本版である、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)など、気候変動分野以外のファイナンス議論も活発化している。