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NEDO 洋上風力高圧直流送電FS開始へ

 NEDOは、洋上風力からの海底直流送電の導入に向けた検討につなげるため、高圧直流送電に関するFSに乗り出す。再生可能エネルギーの大量導入やレジリエンス強化を目的として、プッシュ型で電力系統を増強する「マスタープラン」の策定に向けた検討が進められており、洋上風力は同プランの検討に大きな影響を与える要素となっている。一方で、洋上風力の約8割が北海道、東北、九州に集中している中で、大消費地まで大容量の電力を長距離送電することが課題となっており、経産省エネ庁、電力広域的運営推進機関を中心に、「洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会」や「広域連系系統のマスタープラン及び系統利用ルールの在り方等に関する検討委員会」などを通じて、高圧直流送電に関する議論が開始されている。国内では海底直流送電の実績が少なく、より詳細な検討が今後必要となるのを踏まえてNEDOは、長距離送電でコスト面や輸送効率、運用の柔軟性、系統安定度などにおいて有利とされる高圧直流送電について今年度、設備構成や敷設の実現可能性調査を実施し、技術的な課題を明らかにする。

 具体的には、東日本の日本海側・太平洋側を対象に、直流送電の敷設に適した条件の海域と、揚陸点として適したエリアを抽出した上で、接続点として適したエリア間を結ぶ形での海底直流送電について、エネ庁の審議会・研究会などの議論を踏まえ、複数の敷設ルート案を検討。さらに、直流送電に必要な設備、費用、工期に関して、メーカー、施工・工事業者などにヒアリングを行い算出する。また欧州などの海外調査も実施し、稼働率や故障率といった直流送電システムの保守運用実績、制度の現状などを把握する。