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中国電 保有特許で46億円のコスト削減達成

 中国電力は、グループ大で注力する知財活動の一環として、毎年行っている「特許価値の定量的評価」の結果、自社で保有する特許技術を活かしたことに伴う事業コストの削減額が、直近の19年度で46億円に上ったことを明らかにした。既報のように同社は、業務を通じて生み出された自社技術を知的財産として特許化すると共に「保有特許を活用することで、グループ全体の企業価値と業務の向上につなげる」取り組みを03年から推進しており、各特許の定量的評価額についても毎年、再評価(洗い替え)している。その結果、19年度に保有特許技術を導入・適用したことで、一定額以上のコスト低減効果が発生した件数―が、前年度より10件増の計193件となったもの。さらに「特許技術が関係した実際のコスト低減額は46億円に上る」と試算。具体的に対象技術が特許で担保されていることで、メリットを享受できた金額効果―として、32億円を算定した。
 このうち、コスト削減に最も貢献した特許は、三隅火力(石炭、100万㎾)で導入した「石炭の混合方法」(特許第6079939号ほか)で、ホウ素などの特定微量元素の含有量の多い石炭を燃焼させる際に、アルカリ土類金属などの成分を多く含む石炭を一定割合混焼させることで「排水への微量元素の影響を大幅に緩和させる」特許技術を活かし、産炭地(豪州、インドネシア、北米など)や、銘柄の異なる様々な種類の石炭を理想的な配分で混ぜ合わせて燃焼させることが可能になり、その結果、燃料調達先の融通性の向上―と共に「他産地と比べて灰分の低いインドネシア炭の使用量を増やすことで、石炭灰の量を減らすことにもつながった」という。こうした取り組みの結果、19年度までに自社保有特許がもたらしたコスト削減効果は、累計で466億円にも上ることから、中国電は今後も、グループ大で知財活動に力点を置きながら、経営ビジョン「エネルギアチェンジ2030」の着実な履行と、新目標「2050年カーボンニュートラル」の実現を目指す。