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エネ庁 蓄電SYによる停電サービス許容価格に差

 定置用蓄電システムを活用した停電回避サービスについて、経産省エネ庁が、国内自治体を対象に実施したアンケート調査の結果、同サービスに対する支払い許容額が、年間1万円未満から同200万円以上までと幅広いことが分かった。このほど、同庁が事務局を務める同システム普及拡大検討会が取りまとめた検討結果の中で明らかになったもので、30年の導入目標を検討するにあたり、業務・産業用の同システムについては、蓄電システム価格の低下が進むまでは自治体を中心に導入が拡大し、その後のさらなる価格低下に伴って、工場や店舗などへの導入が拡大することを想定。同庁は自治体向けとして、都道府県、市町村の庁舎、支社、学校などの施設において蓄電システムのニーズがある―と判断し、自治体庁舎・支社のみで8000か所程度、集会施設なども含めると全国で23万か所程度の導入ポテンシャルを確認すると共に、蓄電容量を1か所あたり15 kWhとした場合の、30年までの同蓄電システム導入ポテンシャルについて、1035MWhとなる見通しを示した。
 一方で、同システムのレジリエンス価値について同庁は、自治体に実施した同調査結果などを踏まえて、目標価格の検討において考慮しなかったことを説明。具体的には、レジリエンス価値への評価が比較的高いと見込まれる国内自治体に対して、保有する施設での蓄電システムを活用した、停電回避サービスに関するアンケート調査を行った結果、回答した54施設のうち約41%にあたる22施設が、同サービスを有料で利用したいと回答。その一方で、同サービスに対する支払い許容価格については、年間200万円以上と回答したのは3施設(全体の6%)、同100万~200万円未満は5施設(同9%)、10万~100万円未満9施設(17%)、1万~10万円未満5施設(9%)―と許容価格の幅が広いことが分かった。同庁は同結果から、同蓄電システムのレジリエンス価値については、需要家によって水準が大きく異なることなどを勘案し、目標価格に考慮せず、30年度の同価格をkWhあたり6万円と試算した。