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エネ庁 浮体式洋上風力の海外展開へ標準化推進

 経産省エネ庁は、将来的なアジア展開も見据えて、浮体式洋上風力の商用化に向けた技術開発を加速する。再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札として期待される洋上風力は、世界的にも大量導入、コスト低減、経済波及効果―が見込まれており、気象・海象が似ており、市場拡大が想定されるアジアへの展開も視野に、今年度内にも「技術開発ロードマップ」を策定。産業競争力を強化するために必要な要素技術を特定すると共に、50年カーボンニュートラルの実現へ、イノベーションを推進するための基金などを利用して、浮体式の技術開発を後押しする考え。
 具体的には、二国間エネルギー政策対話やNEDOによる国際実証を通じて、政府間における協力関係の構築、国内外企業の連携といった、官民による国際連携を推進。また、浮体式の海外展開に向けた下地づくりとして、浮体の安全評価手法を国内で確立した上で、同手法の国際標準化を図る。同評価手法は、浮体構造を簡素化するための要件に関するもので、損傷時復元性に対する評価手法は確立しており、IEC国際標準化に向けて準備を行っているところ。そのほかコンクリート製浮体や合成繊維係留索についても現在、同手法の確立を目指して検討を進めている。
 洋上風力についてエネ庁は、構成機器・部品点数が数万点と多く、また事業規模は数千億円に至る場合もあり、関連産業への波及効果が大きく、地域活性化にも寄与しているが、一方で多くの産業が国外に立地している現状を指摘。北海を中心とした重要部品のサプライチェーンが形成されている欧州や、ブレード、タワー、ケーブル、基礎の製造工場が存在する英国、製造業が強く、ナセル内の部品を含めて総合的なサプライチェーンが形成されているドイツを参考に、国内産業の競争力強化に向け取り組みを推進する。