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エネ庁 文献調査を対話活動の一環として解説

 経産省エネ庁は、高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定における「対話」の重要性を訴える広報を発信した。幅広い層を対象に、エネルギーに関する様々な情報を分かり易く紹介する、同庁ホームページのスペシャルコンテンツを通じて、処分地選定の第1段階となる「文献調査」は、処分事業を理解するための対話活動の一環であることを強調したもの。具体的には、同調査は、全国で実施する対話型全国説明会や、同事業についてより詳しく知りたいというニーズに応じた情報提供と同様に、処分事業に関心のある市町村に対し、同事業に関する議論を進めるための資料となる、地域固有の文献やデータを調査・分析、提供することが目的であることを説明。地層処分の実現には、多くの国民、市町村が同事業に関心を持ち、同調査を通じて議論を深めることが非常に重要―との考えを示し、多様な関係者や住民が参画する対話の場は、地域の要望を処分事業に反映し、最終処分を行う実施主体へ要望を提案する場として世界でも重要な役割を果たしていることを紹介する。
 これまでにも同庁は、処分事業で先行するフィンランドやスウェーデンといった北欧の取り組みを同コンテンツで紹介しており、これらの国々では処分事業の受け入れによる風評被害などへの不安の声に対しても、対話の場での議論が役立っていることを改めて説明した。具体的には、観光業や農業への風評被害や、住宅価格低下の可能性については、過去の類似施設における設置前後での影響を調査分析し、その評価結果を住民に示すなどの取り組みが行われており、これら諸外国の知見・経験を参考に、全国のより多くの地域で文献調査を実施し、対話の場も活用しながら調査の進捗状況や地域の将来ビジョンに関する議論を積極的・継続的に積み重ねていく―ことへの理解を求めている。