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広域機関 今夏融通踏まえ電源Ⅰダッシュを検討

 電力広域的運営推進機関は、今夏の需給実績を検証し、融通指示をするにあたって、各エリアの融通可能量を算出する際の「電源Ⅰダッシュ」の扱いを検討する考えを示した。今夏の需要想定は、過去10年間で最も猛暑となった年度並みの気象条件を前提に実施。概ね前提としていた猛暑にはならなかったため、全国最大需要時の需要実績は、計1億7064万㎾の想定に対して、計1億6465万㎾と事前の想定を下回った。同需要時における供給力は計1億8589万㎾で、計画外停止659万㎾(予備率への影響▲4.0%)があったものの、予備率は12・9%となり、安定供給に十分な供給力を確保していたことが分った。

 一方で、台風15号が日本列島に接近・通過した9月上旬には、全国的に気温が上昇し、各地で猛暑日を記録。中部電力エリアでは、同月10日14~15時に、2357万㎾の想定を大きく上回り、今夏最大2568万㎾に達しており、同日は東京電力パワーグリッド、九州電力エリア、9日には中国電力エリアでも需給が厳しくなったことから、電源Ⅰダッシュの発動や、同機関の指示による融通を行った。10日に実施した東京、中部、九州3電力エリアへの融通については、北海道(10万㎾)、関西(3エリア計140万㎾)、中国(10万㎾)の3電力が実施。このうち関西電に対して同機関は、電源Ⅰダッシュから58万㎾の発動を要請した上で、融通指示を実施した。これまで電源Ⅰダッシュは、公募調達したエリアの需給改善のために発動していることから同機関は、今夏の事象を踏まえて、同電源の扱いについて検討する考えを示しており、次回以降の「調整力及び需給バランス評価等に関する委員会」の場で報告する。