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環境省 環境配慮入札の高い排出係数に加点廃止

 環境省は、電気の供給に関する環境配慮契約について、20年度契約分から「排出係数しきい値」を設定する方針を固め、来月2日に開催する環境配慮契約法基本方針検討会の今年度初会合に諮る。環境配慮型電力入札の見直しを行う同検討会の電力専門委員会は「裾切り方式」の在り方に関して、最終的には全国一律で可能な限り排出係数を低減する裾切り基準を目指すと共に、超々臨界圧(USC)方式の石炭火力相当の排出係数「kWhあたり0・81 ㎏」を全国一律のしきい値に設定する考えを同検討会に提示。これまでは、最低でも20点を加点していた排出係数に関して、同基準以上の事業者には加点しない考えを示す。30年にkWhあたり0・37 ㎏とする排出係数目標が達成されることを前提に今後、政府実行計画やその他の関連制度を参考にしながら、適切なタイミングで同しきい値を原則引き下げることとし、来年度から具体的な議論を実施する方針も提示する。しきい値の設定と今後の引き下げの予告をすることで、配点が緩和されている地域の電気事業者に対して、排出係数の低減を強く促すことで、全国一律化の配点を目指す考え。
 一方で同省は、昨年度の電力供給契約において、民間事業者を含む日本全体の平均排出係数よりも、国の機関などの契約全体における平均排出係数の方が悪い―と指摘。ただし、このうち裾切り方式を実施した契約に限定した場合は、日本全体の平均排出係数より良くなることが判明しており、裾切り基準の強化に加えて、裾切り方式の実施率の向上も重要―との判断から、これまで全体で示していた同実施率を、昨年度分から省庁別に、件数ベース、予定使用電力量ベースで公表する。さらに個別の未実施契約情報として、所管機関、施設名、未実施理由をはじめ、今後の対応予定などについて、来年度分実績から公表する考えだ。