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電ガ監視委 インバランス料金制度改正へ検討加速

 電力・ガス取引監視等委員会は、21年度からのインバランス料金制度の改正に向けて、同制度の詳細検討を加速する。需給調整市場の創設に併せて経産省エネ庁は、同制度を改正する方針を示しており、監視委は○新たなインバランス料金の詳細、○関連情報のタイムリーな情報公表の在り方、○一般送配電事業者の需給調整関連経費の収支管理の在り方―などの課題を検討。システム改修に要する期間も踏まえて、システム開発の要件に関するものは早期に結論を得る考え。これらの検討にあたる制度設計専門会合はこれまでに、インバランス料金には、広域運用された調整力(21年度は15分箱型)の限定的なkWh価格を引用すると共に、エリア分断があった場合には、分断したエリアごとに広域運用された調整力のkWh価格を引用する―考えを提示。また、広域需給調整システムが導入されない沖縄エリアでのインバランス料金については、時間内変動対応分は控除する観点から、30分コマ内に上げ調整と下げ調整が両方あった場合には、上げ調整価格の高い方と下げ調整価格の低い方のそれぞれから同量を相殺。その上で残ったものの限界的なkWh価格を同料金とする方向で検討を進めている。
 さらに、系統利用者の適切な行動を促し、公平性を確保する観点から、需給調整関連情報をタイムリーに公表する仕組みの導入を検討しており、各エリアの需給調整を行う一般送配電事業者が、情報公表も併せて実施することが適当―と指摘。一方で、連系線の空き容量については電力広域的運営推進機関、発電ユニットなどの停止情報は日本卸電力取引所が、それぞれ既に自らのプラットフォームにおいて情報公表を行っており、これらの情報については、引き続き両機関が情報公表の実施主体となることが、コストなどの面から合理的であると共に、新たなインバランス料金制度の導入と同時に、情報公表を開始することが、情報格差の防止等の観点から適切である―との考えを示している。なお、システム構築に必要なコストや期間については今後、一般送配電事業者に精査を依頼した上で、仮に相当な期間を要する項目などが明らかになった場合は、段階的な実施を検討。さらに、災害時など需給逼迫時のインバランス料金の在り方や、新たなインバランス料金制度を踏まえた調整力関連費用と、インバランス料金に関する一般送配電事業者の収支管理の在り方、競争が十分でない場合の調整力kWh価格の規律の在り方についても検討を加速する。