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NEDO 浮体式洋上風力実証の成果をガイドに

 NEDOは、洋上風力技術開発の一環として進める浮体式洋上風力の技術実証研究に関して、今年度から技術委員会を設置して詳細な技術評価に取り組むと共に、その成果を「浮体式洋上風力発電ガイドブック」として取りまとめる方針を示した。九電みらいエナジーが参画する同実証は、NEDOと丸紅を中心としたコンソーシアムが14年度から取り組むもので、浮体式洋上風力としては比較的浅水域となる水深50~100mの海域を対象としたバージ型浮体に、コンパクトな2枚羽風車を搭載した日本初のバージ型浮体式洋上風力実証機(3000㎾)を昨年度開発した。九電みらいエナジーは同開発において、系統連系協議と電力品質評価を担当しており、昨秋には北九州市沖15㎞、水深50mの海域に同機を設置して実証を開始。21年度までの予定で性能評価などを行う要素技術実証を進めている。

 NEDOは同実証の成果として23年以降、水深50~100mの海域を対象に、kWhあたりの発電コスト23円で実用化可能な、バージ型浮体式洋上風力発電システム技術と、30年の同コスト20円以下を達成できる浮体式洋上風力システム技術の確立を目指す。近年、特に欧州において浮体式洋上風力の技術開発が急速に進んでおり、NEDOは、国内外の浮体式のマーケットにおいて国内事業者がリードするためには、同実証研究の詳細な技術評価を行うと共に、その成果をタイムリーに発信することが重要―と判断。また、海外での最新の技術開発動向調査をはじめ、低コスト化、技術課題の解決に向けた指標を作成して、実証研究の中で検証する必要があることから、同実証に関する技術委員会を設置すると共に、海外の技術動向や浮体式風力の技術評価指標などをまとめたガイドブックを作成するもの。