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国交省 無電柱化で路上変圧器の有効活用実証開始

 国交省は、東京電力パワーグリッド(PG)、中部電力など民間の協力を得て取り組む、路上変圧器の利活用に関する実証試験を開始する。近年頻発化・激甚化する災害からの損失を最小限に留める対策として、住民へのきめ細やかな防災情報の提供に着目。一方で、政府が目標とする20年の訪日外国人旅行者数4000万人、旅行消費額8兆円を達成するため、分り易い観光情報の提供が求められており、これらの現状を踏まえて同省は、各地域での無電柱化に伴って設置が進む路上変圧器を通じた、防災・観光情報などの提供に向けて、国道の占用許可基準の緩和を計画。既設の路上変圧器に設けるデジタルサイネージなどを活用した、防災・観光情報提供の有用性について検証する実証実験を行う方針を固め、今年1月に同実証地域として、埼玉県さいたま市と岐阜市を選定しており、さいたま市は明日28日、岐阜市では今日27日から同実証を開始するもの。

 さいたま市の実証では、同市と東電PG、パナソニックが共同で、大宮駅西口と東口の駅前広場の計2か所に、路上変圧器を活用したデジタルサイネージを設置して、防災・観光情報などの配信を開始。約1年間をかけて、視聴効果や経済効果などへの影響を検証すると共に、広告収入で管理費用を賄いながら情報提供するスキームの検討につなげる。一方で岐阜市では、中部電と大日本印刷の協力により、同市柳ヶ瀬地区に中部電が設置する計11台の路上変圧器に、防災や観光情報を掲出するラッピングと、このうち1台にはデジタルサイネージを設置。協賛企業の広告も表示して、広告収益を事業の運営費に充当することで、費用負担の軽減を図る実証を開始する。デジタルサイネージによる放映開始は4月1日午前9時からを予定しており、今後約1年間にわたって、商業地としての再生や大規模災害への対応につながる取り組みとして、外国人を含めた来街者や住民などへの観光・防災情報提供の効果を実証する。