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九州電 九電工や誠新産業と津波防災で地域貢献

 九州電力は、南海トラフ巨大地震に関する宮崎県の被災想定で、県内最大の人的被害(死者1.5万人)の発生が懸念されている日向市に対して、自社グループの誠新産業が考案した防災街路灯「道しるべ灯」を寄贈する地域貢献活動を行った。九州電と同市は「上流域が当市と隣接する耳川水系の九州電のダムを通じ、日頃から産官交流が活発」(市総務部)であることから、県の被災想定を受けて市が現在、進めている「津波防災地域づくり推進計画」への支援・協力を目的に、九州電の日向配電事業所が、前記街路灯の津波に備えた防災備品としての利用を考案して、市に提案したもの。具体的には、太陽光を蓄えて夜間に発光する蓄光塗料を塗った道しるべ灯を、市に加えて隣接する門川町の各電柱に整備して、夜間の街路灯として利用。これにより、巨大地震の発生により市町内が停電した夜間に津波が発生しても、高台の位置が分かるようにする―というもの。

 独自発案の防災対策の履行に向けて日向配電事業所は、誠新産業、九電工の協力を得て昨秋より、両市町、地域住民との話し合いを進めながら、道しるべ灯の最適な設置場所を決定。このほど、両市町の16地区に計28本の同灯を整備した。施工の終了に併せて、今月8日に日向市役所で行われた両市町への贈呈式の中で、九州電の壱岐正利・日向配電事業所長は「地域の皆さんの防災意識の啓発につなげていただきたい」と挨拶。これを受けて、安田修・町長が「災害発生時の希望の光になる」との感謝の言葉を述べた。