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エネ庁 FIT下での再エネ予測変動分へ対応検討

 経産省エネ庁は、電力・ガス取引監視等委員会と電力広域的運営推進機関の協力を得て、再生可能エネルギーに起因するインバランスを小さくするための具体的検討を進める。再エネの導入拡大に伴って今後、インバランスが一層拡大する可能性があることから、新たなインバランス料金制度の検討と併せて、FITインバランス特例制度の見直しを推進するもの。現行の同特例では、前々日の気象予報などに基づき、一般送配電事業者が計画値を予測しており、同予測精度の向上により、送配電事業者と無関係に、計画締め切り以前に明らかな誤差が判明する状況が発生。これに対してエネ庁は、締め切り以前に判明した変動分の調整も送配電事業者に依存するのは望ましくなく、再エネの自立化の観点からも、系統利用者側で予測変動を踏まえた調整を行うことが必要―と指摘しており、系統利用者も一定の役割を担う方向で検討を進めているところ。計画の予測についても、FIT期間の終了後を見据えて、系統利用者が自立的に行うことを促すような環境整備を検討する。

 具体的には、気象庁や気象予報事業者が配信する気象データに基づいて、各一般送配電事業者のシステムにより行っている再エネ出力予測の精度について、より詳細なデータを分析。締め切りの前々日16時に行っているFIT通知に関しては、21年に創設予定の需給調整市場においても、前日12~14時に入札を受け付け、前日15時に落札処理を行う運用が想定されており、同通知の運用実態や、全体のインバランス設計を踏まえて、FIT制度下での再エネ予測変動分への対応に向けて、実現可能な方策を検討する。太陽光の導入拡大に伴って、FITインバランスは急速に増大しており、100万kWh以上のインバランスが発生する地域も散見されている。さらに、19年11月から住宅用太陽光の買い取り期間が順次終了し、23年までに平均で毎年100万㎾以上が自家消費または余剰電力の自由売買に移行することが見込まれている。このうち火力電源を持たない事業者に売買された太陽光の予測誤差は、時間前市場で計画変動の調整が行われる見通しで、17年度の同市場の平均約定量が25万kWhであったことからエネ庁は、これらの太陽光の予測誤差の規模は、数倍以上になる―と懸念する。