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経産、国交省 再エネ海域法運用開始へ論点整理

 経産省の再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会洋上風力促進WGと、国交省の洋上風力促進小委員会は今月25日、経産省別館において合同会議を開催し、再生可能エネルギー海域利用法の運用開始に向けた論点を整理する。先月30日に国会で可決された同法は、一般海域の利用を促進するための区域指定や、長期の海域占用に関する利用計画の認定制度などを定めており、来年4月までの施行が見込まれている。政府は同法制定による効果として、風力導入量を16年度の約330万㎾から、30年度までに約1000万㎾へ拡大することを目指しており、同法の円滑な運用に向けた具体的検討を加速するもの。

 新設された再エネ海域利用法は、占用までの手続きとして、内閣総理大臣が洋上風力などの海洋再エネ設備の整備に関して、海域利用促進のための基本方針案を作成し、政府が閣議決定により定めることを規定。経済・国交両省は、同方針に基づき、他省との協議や、関係協議会などの意見を聴取した上で、促進区域を指定した公募占用指針を策定する。さらに、同指針を踏まえて、事業者から提出された公募占用計画について、事業内容や供給価格などを勘案し、最も適切な計画を選定すると共に、公募占用計画を認定する。その後、事業者は認定された同計画の内容に基づき、FIT認定を申請し、経済相がこれを認定する流れとなる。これらの手続きを経て申請された計画に対して国交省は、30年を超えない範囲内において、海域の占用を許可する。

 なお、公募占用計画には、公募対象施設の維持管理に関する方法を記載することが必須とされており、両省は今月10日、電気事業法と港湾法に基づく審査手続きの合理化や、事業者の負担軽減を図るための検討を進めている洋上風力発電施設検討委員会に、維持管理技術WGを設置。港湾管理者による的確な審査の実現を目指して、同WGを通じて検討を進め、今年度中にも洋上風力の維持管理に関する基準を策定する方針。同WGは、維持管理技術を専門とする清宮理・早稲田大学名誉教授を座長に、ほか5人の有識者で構成し、両省をはじめ東京電力ホールディングス、電源開発、NEDO、日本風力発電協会、港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所が、オブザーバーとして参加する。