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関西電 液体空気貯留と排熱活用の発電SY構築へ

 関西電力は、液体空気エネルギー貯留(LAES)技術を用いた、排熱活用高効率発電システムの構築に向けた取り組みを推進する。将来のエネルギーシステムにおける需給調整力として、低炭素化を促す新たな蓄電技術と、LNG基地で排出されるLNG冷熱などを活用して、高効率に発電する技術を兼ね備えた、低炭素システムの構築を目指すもので、今年度から約1年間にわたって、同システムの優位性・有効性を検証すると共に、システム要件や熱交換技術の開発課題を抽出した上で、事業性を明らかにする。

 LAES技術は、余剰電力などで空気を圧縮・液化した上で貯蔵し、必要時に膨張発電により電力を取り出す蓄電技術。空気を液化するために必要となる多くの電力と冷熱には、再生可能エネルギーと、従来は海水や大気中に排出されているLNG冷熱などを利用することで、低コストで高い充放電効率の蓄電システムの実現を見込む。また、ガスタービンを用いた火力においては、夏季の大気温度が上昇した際に大気密度が低下し、発電出力と熱効率が共に低下するため、LAES技術により生成される低温空気を、ガスタービン吸気冷却システムに活用することで、圧縮機の入口空気温度を下げ、火力効率の向上につなげる考え。