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東電HD、東光高岳 米倉山での実証成果を報告

 東京電力ホールディングス(HD)と東光高岳は、山梨県、東レと共同で進める、水素エネルギーの社会実装に向けた「P2Gシステム開発・実証」に関する研究成果報告を行う。7月30、31の両日、甲府市の県立図書館イベントスペースで開催される、同県主催の「米倉山クリーンエネルギー研究成果報告会」に出席。再生可能エネルギー由来の電力により水素を製造し、貯蔵・利用するP2Gシステム開発に関して、31日には東電HDの蘆立修一・技術環境戦略ユニット技術統括室長が「Utility3.0における蓄電池の役割」の演題で、同社の小野寺真・経営技術戦略研究所と、東光高岳の江口智雄・スマートグリッド事業推進部開発設計グループGMが「水電解装置を用いた再生可能エネルギー電力の制御システムの開発」をテーマに、それぞれ講演する。

 P2Gシステムは、長期間の貯蔵や輸送が可能な水素の特性を活かし、天候の変化によって変動する再エネの発電量の安定化につながる技術として期待されており、両社は、再エネによる水素製造を行う電力設備の設計・エネルギーマネジメントシステムの実証を通じて、水素利用技術の向上に向けた取り組みを推進する。なお山梨県は、約3年ぶりに開催する同報告会において、前回を大きく上回る多くの研究成果を報告するプログラムを用意。初日30日には、同県企業局の坂本正樹・主査が「CO2フリーの水素エネルギー社会構築を目指したP2Gシステム技術開発」に関する講演を行って、県の取り組みを広く紹介する。さらに、米倉山太陽光(1万㎾)、ゆめソーラー館やまなし、大面積セルスタック評価設備、5㎾純水素型燃料電池、超電導フライホイール、ハイブリッド水素電池、水素技術センターなど、多様な世界最先端の技術を紹介する「実機見学バスツアー」を両日にわたって行い、米倉山電力貯蔵技術研究サイトでの各種蓄電システムを中心とした研究開発・実証について、関係者をはじめ一般に対しても周知を図る考えだ。