エネ庁 低圧リソースのDR活用拡大を期待
経産省エネ庁は、家庭用蓄電池や高効率給湯器などの低圧リソースを活用したデマンドレスポンス(DR)の拡大に向け、既設機器のIoT化や小売り電気事業者、アグリゲーターによるサービスの拡充、電力市場への参入に向けた環境整備などの検討を進める。
家庭用機器は1台あたりのDR量は小さいものの普及台数が多く、大きなDRポテンシャルを有する。同庁は、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う需給調整や余剰電力の有効活用に向けた取り組みとして、家庭分野での小規模リソースの活用を進める。
低圧リソースのストック台数は、家庭用蓄電池、高効率給湯器、電気自動車などを合わせて1000万台規模に上る。同庁は、これらを全てDRリソースとみなした場合、約2000万㎾、1日あたり約2500万kWhのポテンシャルがあると試算。一方で、クラウドへの接続は限定的で、DRポテンシャルは300万㎾を超える程度。現状ではIoT化され、遠隔制御が可能な低圧機器は限られており、潜在力を十分に引き出せていないことを課題に挙げる。
同庁が整理した各低圧リソースのDRポテンシャルでは、家庭用蓄電池に次いで、高効率給湯器・エコキュートのポテンシャルが高いことが判明。エコキュートのストック台数は約750万台に達する一方、足元のクラウド接続台数は約11万台、接続率は約1.5%に留まっている。1台あたりのDRポテンシャルを1.0~1.5㎾とすると、クラウド接続済みの機器だけでも約11万~16・5万㎾のポテンシャルがあり、DRリソースとしての活用余地が大きい。
エネ庁は、遠隔制御が可能な機器を増やすため、24年に「DRready勉強会」を設置。機器本来の利用価値や快適性を損なわずにDRを実施できるよう、高効率給湯器や家庭用蓄電池などを対象に、通信接続機能、外部制御機能、セキュリティー要件といった機能の標準化を進めている。現時点では、ヒートポンプ給湯機、ハイブリッド給湯機、家庭用蓄電池、家庭用燃料電池のDRready要件案を整理。今後は、EV充電器・充放電器などの検討も進める。
市場活用に向けた制度面では、今年度から需給調整市場への低圧リソースの参入が可能となった。家庭用蓄電池などを束ねて市場に応札する動きもみられるが、低圧リソースの活用は限定的。機器個別計測での参入は、計量データを無線端末経由で第二世代スマートメーターのIoTルートから収集する必要があるものの、無線端末の認証や量産などに課題があり、現時点で応札は確認されていない。また、リソースの集約・運用コストも課題となっている。
これらの課題を踏まえて同庁は、既設機器がDRready対応機器に置き換わるまでには時間を要するため、既設機器・設備のIoT化によってDRポテンシャルを高める必要性を指摘。併せて、小売り電気事業者やアグリゲーターによるサービスの拡充を促し、低圧DR市場の初期市場形成を加速させることで、自律的な拡大につなげる方向性を示した。市場参入に伴う運用上の課題についても、円滑な参入に向けて必要な対応を講じるべきとしている。


