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エネ庁 大規模需要空押さえ対策27年4月開始

 経産省エネ庁は、電力系統の「空押さえ」への対応策について、27年4月1日から運用開始する方針を固めた。データセンターや半導体工場などの大規模需要の増加に伴い、系統接続の申し込みが増え、一部地域で空き容量が逼迫する中で、確保した系統容量を十分に利用しない案件から容量を開放し、事業確度の高い需要家の接続機会を確保する。
 空押さえを巡っては、25年6月に開催した第3回次世代電力系統WGで課題を提示。系統用蓄電池について、事業確度が低いにもかかわらず長期間にわたり連系予約を維持する案件があることを示した上で、空押さえ防止に向けた規律強化の検討を開始した。同WGでは、検討対象を系統用蓄電池に限らない形で進める方針も示した。その後、蓄電池については、保証金額の増額など暫定的な対策を措置。その一方で、大規模需要全体についても検討を進めてきた。
 近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)、AX(AIによる変革)などの進展に伴って、大規模な系統接続申込みが増加し、一部地域では送電網の空き容量が逼迫すると共に、接続までの期間が長期化している。データセンターの新増設に伴う最大需要電力は、35年度には、26年度比で600万㎾程度増加する見通し。接続期間の長期化については、空押さえに加え、施工人材の不足や変圧器などの機器調達に時間を要することも指摘されている。
 こうした状況を踏まえて同WGでは、①先着優先の在り方、②設備形成・費用負担の在り方、③設備の最大限活用―を主な論点に、大規模需要に関する検討を推進。系統接続での手続き期限の設定や、用地取得状況の確認、ウェルカムゾーンマップの拡充などを具体化すると共に、空押さえへの対応を検討してきた。今月開催の同WGで同庁は、これまでの議論に基づいた対応策を整理したもの。
 対応策は、3万㎾以上の大規模需要家を対象に、「容量開放」と「費用精算」の2本立てで実施。容量開放は、段階別契約の途中段階で、供給開始の延期や契約電力の減少が1年を超えた場合に発動する。空き容量が3万㎾未満の系統で、当初計画との差分に相当する契約電力を引き下げ、既存設備を最大限活用し、公平な接続機会を確保する。
 費用精算は、通常契約と段階別契約の最終契約電力を対象とする。1年を超えて最終契約電力に達しない場合や、1年未満で最終契約電力を引き下げた場合に適用し、下方修正された容量に応じて負担を求める。精算額は、原則として総工事費用に「使用予定電力容量―使用実績電力容量」を乗じ、設備工事後に増加する電力容量全体で除して算定する。特定負担が発生している場合は、その分を控除する。
 エネ庁は、27年4月1日付で関係規程類を改定し、同日から運用を開始する予定。運用開始にあたっては、既に契約済みの大規模需要家についても、実際の事業見通しを踏まえ、適切な契約電力とするよう求める。問い合わせが多い事項を中心にQ&Aを公表し、理解増進を図る考えだ。