経産省 基盤維持強化へ原子力人財コンソ設立
経産省は、原子力人材の育成・確保を強化するため、産業界、大学・研究機関、関係省庁などが参画する「日本原子力人財コンソーシアム(J―AHRC)」を設立した。
原子力政策では、40年代に2~5基程度、50年代までに累計11~14基程度の建替えが必要になることを想定。原子力人材の課題分析から、施策の立案・実行までを一体的に進める司令塔機能を担う同コンソーシアムを通じて、人材育成のロードマップ策定や具体的な施策の実行を進めることで、原子力を支える人材基盤の維持・強化を図る。
原子力人材を巡っては、発電所の建設・保守を支える人材基盤の弱体化、大学などの教育・研究基盤の縮小、将来の人材候補群の減少などが課題となっている。こうした課題に対して同省は、①建設などを支える人材を育成する機会の拡大、②人口減少下でも建設・運転・保守などを持続できる環境づくり、③教育基盤の充実・強化、④研究基盤の充実・強化、⑤規制を担う人材の確保、⑥電力会社・サプライヤー、研究機関、規制当局などを横断した学生の研修機会の創出、⑦教育機関と企業が連携した学生の学習機会の創出、⑧将来世代への情報発信、⑨中長期的人材需給ギャップの可視化――の9項目を先行課題に掲げている。
J―AHRCは、これらの課題を組織横断的に扱い、産学官が立場を超えて目標や実績を共有し、課題の特定、優先順位付け、役割分担を行う。ロードマップとKPI(重要業績評価指標)に沿って施策を実行し、成果の可視化、評価、改善まで進めることで、実効性のある課題解決につなげる。先行9項目の実行にあたっては、既存組織の活用に加え、新たなプロジェクト組織の設置などを検討する。
人口減少下で建設・運転・保守を持続できる環境づくりについては電気事業連合会、教育基盤の充実・強化は、教育・研究を推進する未来社会に向けた先進的原子力教育コンソーシアム(ANEC)、研究基盤の充実・強化は日本原子力研究開発機構(JAEA)、規制人材の確保は、原子力規制庁―を実行主体と想定する。建設を支える人材育成の機会拡大や、産学官を横断した学生の研修機会創出などに関しては、新たなプロジェクト組織の設置を検討する。
コンソーシアムは、既存の原子力人材育成ネットワークの一部機能を改組して設立した。25年6月の原子力小委員会で司令塔機能の必要性が問題提起され、関係組織によるコアチームが26年3月に発足。同ネットワーク運営会議の承認を経て、このほど活動を開始した。
発起組織には、電気事業連合会、東京電力ホールディングス、中部電力、関西電力、三菱重工業、日立製作所、東芝、日本原子力産業協会、JAEA、ANEC、経産・文科省、規制庁の産学官が参画。中長期ロードマップの策定、具体的な施策の立案・実行を進めると共に、28年度の本格稼働に向けて、人材育成ネットワークの見直し・最適化にも取り組む。
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