九州電 10年前の教訓による対策成果明らかに
九州電力は、今年7月に発生した令和8年熊本地震に伴う停電復旧対応について振り返り、10年前の熊本地震の教訓を活かした対策により、被害を回避できたことを改めて示した。
経産省の電力安全小委電気設備自然災害等対策WGで、熊本県熊本地方を震源として、広範囲にわたり強い揺れ(最大震度7)を観測した同地震に伴う停電状況や主な設備被害状況を説明。スマートフォン、ドローンなどの技術活用、同社グループをはじめ他電力による応援派遣などにより、早期の復旧対応が図られたことを示した。さらに、平成28年熊本地震の教訓を踏まえて実施した、送変電などの対策設備において、被害が無かったことを指摘した。
10年前の熊本地震の教訓から、送変電設備の耐震性強化を進めてきた。送電設備では、耐震性のあるポリマー碍子の導入や、活断層を跨いで設置する鉄塔の補強を実施。変電設備では、22万Vパンタグラフ型断路器へ支持碍子免振装置を設置したほか、母線支持架台を補強するなどの措置を講じたもので、対策設備の被害が無かったことを確認した。
また水力では、公衆災害防止、安全確保の観点から、地震発生時に発電所への取水を停止する自動制御装置や、水路内水位を監視する水位計などを新たに設置。地震発生に伴い、これらの装置が作動して取水を停止し、その後、設備の健全性・安全性を確認した上で運転再開につなげた。
他方で、災害時連携計画に基づき、これまでに一般送配電事業者10社による各種の取り組みを推進。10社共同で年に1回実施する連携訓練の結果、地震発生直後から迅速な応援要請と受け入れを実現した。また、大規模災害の発生時に、被災事業者の要請を待たずに自発的に応援派遣を行う「プッシュ型応援」により、早期の受け入れを実施した。さらに、全国大で復旧工具の仕様を統一し、一送電応援者による発電機車での早期送電など、多くの成果を得た。
今回の熊本地震での停電戸数は、約4.9万戸と10年前の地震での約47・7万戸と比べて10分の1程度となった。設備被害についても、折損・傾斜などの被害電柱は97本となり、前回被害を受けた3151本の30分の1程度に留まった。
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