経産省 高度保安認定通じスマート保安促進
経産省は、23年12月に開始した「認定高度保安実施設置者制度」により認定を受けた北海道電力、JERAの新たな保安技術導入で、着実な効果が得られていることを示した。先月末に開催した電力安全小委員会で、火力分野における同認定設置者の技術導入事例として、両社を紹介した。
同制度は、革新的なテクノロジーの進展、保安人材の不足、電力の供給構造の変化、災害の激甚化・頻発化、気候変動問題への対応の要請といった、産業保安分野における様々な環境変化を踏まえ、スマート保安の促進に向けた仕組みとして創設。自立的に高度な保安を確保できる事業者として、①経営トップのコミットメント、②高度なリスク管理体制、③テクノロジーの活用、④サイバーセキュリティ対策―の4要件を満たすことのできる事業者を経産大臣が認定する。
さらに、認定を受けた事業者については、国による使用前・定期安全管理審査の省略、自主検査時期の柔軟化、その他保安規程や主任技術者の選任に関する行政への届け出を省略するなど、行政手続きの簡略化を実施。事業者の保安に対する自主性をより高めることが主な狙い。
24年9月に四国電力の火力部門とJ―POWERジェネレーションサービスの発電運営部が初認定。同月に中国電力の電源事業本部、25年8月に九州電力の火力発電本部、今年4月には北海道電の次世代エネルギー部と、関西電力の火力事業本部、5月に東北電力の発電カンパニー火力部門、6月にJERAの国内運営統括部―が認定された。
このうち北海道電は、業務の効率化と品質向上を目的に、火力で毎日実施している巡視点検業務で、台車型搬送ロボットとアーム型協働ロボットを組み合わせた自律型ロボットを導入。また、石狩湾新港火力(LNG、計172・94万㎾)1号機に遠隔常時監視制御方式を導入し、苫東厚真火力(石炭、計165万㎾)の監視制御機能に集約。監視制御体制のスリム化・運用効率化を図っている。
JERAは、情報通信技術を活用した予兆管理システムにより、火力の運転データから設備不具合の予兆検知に対するデータ分析・評価を実施。事業場と保安管理部門(運営部、保修部)が一体となって、計画外停止削減などの健全状態維持を図っており、ボイラ管漏洩対応ではドローン活用で足場工数40%、停止日数5日の削減を達成している。


