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関西電 生成AI活用DX戦略をIPAが紹介

 関西電力が進める、生成AIを中核としたデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが、情報処理推進機構(IPA)の「デジタル事例データベース(DB)」に掲載された。

 電力自由化や人口減少など事業環境の構造変化に対応し、30年頃に到来が想定される「AI産業革命」を見据えたDXビジョンを掲げ、競争優位の確立と持続的成長を目指す取り組みとして紹介されている。IPAは、企業や自治体などによるDXの先行事例を、効率的に検索・閲覧することを目的として、同DBを整備・提供している。
 関西電は、脱炭素化、分散化、自由化、人口減少、デジタル化の「5つのD」が進展する中、限られた人員で高品質・高効率な業務運営を維持しながら、エネルギーソリューションや情報通信、不動産など成長分野を拡大する必要性が高まっている―と分析。生成AIを単なる業務効率化ツールではなく、事業や業務を根本から再設計する「変革ドライバー」と位置付けて、DXビジョンを再構築した。
 DX推進にあたっては、役員が参画するDX戦略委員会、各事業部門、DX専業会社のK4Digitalが連携する三位一体で取り組む。昨年6月には、米国オープンAI社との戦略的連携を開始し、全社員約8300人への「ChatGPTエンタープライズ」の導入や、AIエージェント開発を進める。全社から554件の活用ユースケースが寄せられ、投資対効果などを踏まえながら実証や実装を推進する。今年1月からはグループ会社への展開も始め、約1.6万人規模による生成AIの活用体制を構築している。
 具体的には、営業提案の高度化や社内ITヘルプデスクへの生成AI導入、投資評価、会議運営における意思決定支援などに活用を拡大。さらに、分散型エネルギーリソースをAIで最適制御する「SenaSon」や、需給調整市場などへの最適運用を行う「K―VIPs+」など、新たなエネルギーサービスの展開にもつなげている。

 関西電は今後、AIエージェントによる業務の自律化を進め、「AIを前提とした業務設計」への転換を図る。エネルギー分野での社会課題解決型ビジネスの創出を通じ、ゼロカーボン社会への貢献と競争力強化を目指す考えを示している。