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環境省 潮流発電社会実装へ長期信頼性検証

 環境省は、潮流発電の社会実装を目指した技術開発・実証事業を推進する。潮流発電の導入から運用までの技術を確立し、地域と共生した事業モデルの構築に向けて、このほど同事業の新規公募を開始した。

 再生可能エネルギーの中でも潮流発電は、一定した潮汐力によって、年間を通じた予測や、出力変動が小さい安定的な発電が可能であり、海中に設置するため、環境影響が小さい―といった利点に注目。世界トップクラスの潮流発電のポテンシャルを有し、特に潮汐の干満差が大きい瀬戸内海や九州沿岸、離島などが適地となっており、同省はこれまでに、国内初の商用スケールの海底固定型の潮流発電システム開発を行い、長崎県五島市沖において、実証事業を行ってきた。同事業の成果を活用し、〇海底固定型潮流発電機の長期信頼性検証事業、〇浮体式潮流発電機の運用確立事業―に取り組む事業者を支援することで、潮流発電の社会実装の加速化を図る。
 具体的には、海底固定型潮流発電について、これまでに検討したメンテナンス手法などを実践し、長期間の運転を行って信頼性を検証すると共に、メンテナンス技術の確立、経済性や収益性の評価に必要なデータを収集するための開発・実証を支援する。また、波や潮流の変動に柔軟に対応できる技術として注目される、浮体式潮流発電については、国内海域での導入、運用に必要な一連の技術を確立し、データ収集に向けた開発・実証を進める。両事業に対し、今年度予算として5.5億円、2億円をそれぞれ計上しており、対象経費の3分の2を補助する。今月24日まで、両事業の公募を実施し、審査を経て5月下旬に採択者を決定する。
 同省は、長崎県五島市の奈留島と久賀島の間に位置する奈留瀬戸において、九電みらいエナジーが取り組む潮流発電実証を19年度から支援。22年度からは、潮流発電による地域脱炭素モデル構築事業として、当初設置した500㎾の発電機を、国内初の商用スケールとなる1100㎾に改造し、実証試験を進めてきた。今後の潮流発電事業について同社は、新たなステップとして「同実証を発展させる方向」(事業企画本部)で検討を進める考えを示している。