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NEDO 28年度以降にDER制御本格展開

 NEDOは「電力系統の混雑緩和のための分散型エネルギーリソース(DER)制御技術開発」の成果を踏まえて、再生可能エネルギーの導入が進み、出力制御や設備容量制約が顕在化する課題先進エリアにおいて、28年度頃から「DERフレキシビリティシステム」を順次展開する方針を示した。

 再エネの導入拡大に伴い、深刻化する系統制約への対応として、実証段階から社会実装段階へと加速する。国内太陽光は、配電用変電所以下に連系する事業用が多くを占め、逆潮流の増加により配電系統での混雑が顕在化している。特に、混雑時に出力制御が行われない配電系統では、系統増強を完了しなければ連系できない事象が増加している。

 NEDOは、太陽光や蓄電池などのDERを統合的に制御し、電力需要や出力を制御することで、配電系統の混雑を緩和する技術の確立をめざして、当初最終年度を26年度とする技術開発を進めてきた。しかし、技術的成果が早期に得られたことを踏まえて、24年度で事業を修了。今年度実施した同事業の終了時評価では、次段階として、社会実装を視野に入れた取り組みを進める考えを示した。
 一般送配電事業者、アグリゲーター、DERが持つ情報を連携し、系統の混雑状況とDERの活用状況を共有する役割を担う、DERフレキシビリティシステムの構築に向けてNEDOは、実現可能性の確認に加えて、標準的な業務フローの確立、運用上の課題抽出、系統影響評価などを実施。システムとのデータ連携、通信プロトコルや要求仕様も整理した。30年までに全国約50変電所で混雑発生が見込まれており、設備増強に依存しない対策の必要性が高まる中、28年度頃を実装フェーズへの転換点と位置付けた。
 基幹系統・ローカル系統のノンファーム型接続・混雑に対応するソリューションとしてNEDOは、日本版コネクト&マネージシステムの仕様開発を23年度まで実施し、その成果を全国展開している。一方で、配電線単位での同システムの適用は、系統増強費用に対する経済性が乏しいことがFSで判明。技術的・運用面においても、ローカル系統以上に課題が多いことから、同システムによる制御と情報を活用した高度な運用へと転換する。社会実装に向けた課題としては、フレキシビリティの調達方法、価格形成の仕組み、責任分担ルール、データ連携の標準化―といった制度整備が不可欠となる見通し。

 なお、同事業は、NEDOの委託を受けて、東京電力パワーグリッド(PG)を幹事企業に、東京電ホールディングス・東京電エナジーパートナー、中部電力PG、関西電力送配電、三菱重工業、京セラ、三菱総合研究所、東京大学、早稲田大学―のコンソーシアムが実施。総勢110人程度の研究員が、一送電、プラットフォーム、アグリゲーターの各課題検討、フィールド実証に取り組み、次世代を担う人材も多数参加した。