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中国電 AIで三隅火力の燃料運用を最適化

 中国電力は「燃料運用の最適化」を目的に、三隅火力(石炭、計200万㎾)で、AIを用いた効率的な稼働スキームを導入して効果を上げている。

 同社は、22年のロシアによるウクライナ侵攻で世界的に石炭価格が高騰し、燃料費が増加したことに対応して「AIによる低コスト低品位炭の効率的な調達と使用」に着目。23年に社内にAI導入検討プロジェクトを設けて、事業スキームの構築に向けた検討を進めてきた。

 三隅火力には、豪州やインドネシア、北・南米などから調達した石炭を貯蔵するサイロが計18基あり、約20品種の様々な調達国別石炭を最大67万t貯蔵できる。石炭は、産地ごとに発熱量の高低やNOxの発生量に差異が生じるため、従来は焼成時における石炭のブレンドを、経験豊富な熟練社員が人手で決めていた。

 これに替えて、上記データのほか、焼成後にボイラ内に付着する灰の量や排水処理の量なども含めた詳細なデータと経験値をAIに取り込むことで、以前は社員が数日かけて約40通りを作成して運用していたフローが、AIによる「炭質評価システム」では、所要時間90分で、燃料の最適なブレンドパターンの作成が最大4000通り可能になった―という。
 これに加えて中国電は、石炭の受払計画をAIが作成する「石炭サイロ運用支援システム」も導入している。同システムは、多い時には月あたり6隻が入港する石炭船の受け入れと、サイロ貯蔵量の調整をAIによってコントロールするもので、石炭船の入港計画に合わせて、石炭の種類に応じた効率的なサイロ管理が進み、従来発生していた「サイロが空いていないために石炭船が海上で待機するロス」が改善された―という。

 両システムを連動させることで、より効率的な運用につながっており、中国電は今後、ビッグデータを用いたAIシステムをさらに進化させて、新たな「配船支援システム」の導入なども視野に入れている。