東北電 太陽光パネルを「伝統工芸品」に再生
東北電力は、使用済み太陽光パネルを再生して、青森県の伝統工芸品「津軽びいどろ」のグラスを製作する新たな取り組みを開始した。
12年にスタートしたFITの普及に伴い、全国的に設置が拡大した太陽光の、30年代以降に予想される「耐用年数超過パネルの大量廃棄」問題を見据えて、地域文化の紹介・発信と次世代継承を目指した夢のある新機軸の3Rプロジェクトで、SDGsや資源循環型社会の実現にもつながることから、今後の進捗が期待される。
使用済み太陽光パネルの再生に向けて東北電は、同パネルのリサイクル事業を行う環境保全サービス(岩手県奥州市)、ガラスメーカーの北洋硝子(青森市)と協力し、パネルの分解→ガラスの選別・回収→回収ガラスを用いたグラスの成形―のリサイクルスキームを構築。同スキームで、パネル1枚(重量約20㎏)から、同10㎏のガラスが再利用できるため、廃棄量の低減化が大きく進むことになる。
取り組みに協力する北洋硝子は、青森県認定の伝統工芸士や青森マイスターなどの職人で構成するハンドメイドガラス工場で、漁業用のガラス製浮玉作りの技術を活かして、977年から津軽びいどろの製作を開始。100色超の色ガラスを用いて、東北の四季の風景や心象をガラスで表現する高い技術力と工芸性が支持され、日本のクラフトガラスを代表するブランドになっている。東北電との今回の取り組みでも「宙吹き」「型吹き」「スピン」「圧迫」「ピンブロー」など計9工程の伝統的なガラス成形技法を、全て職人が手作りで行い、美麗で魅力的なオリジナルグラスを計600個製作した。
東北電は今後、同グラスをイベントなどで記念品として配布するほか、一般への販売も視野に入れており、今後さらに検討を進めて事業化の可否などを判断する。
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