主な記事 詳細

過去の主な記事

エネ総研 産業HPテーマに月例研究会20日

 エネルギー総合工学研究所は20日、産業用ヒートポンプ(HP)をテーマに、第450回月例研究会をオンラインで開催する。電力中央研究所の甲斐田武延・グリッドイノベーション研究本部ENIC研究部門主任研究員と、日本エレクトロヒートセンター(JEHC)の渡邉規寛・企画部長による2講演を行う。

 業部門の脱炭素化において、大きく期待される産業用HPは近年、HP供給温度の高温化といった技術開発が進展。技術的ポテンシャルが向上している一方で、導入初期段階にある同HP技術を展開していくための取り組みが求められている。熱エネルギーシステムの解析を専門とする電中研の甲斐田主任研究員は、これまで家庭用のHP給湯機や暖房機、コージェネレーションシステム、産業用プロセス加熱HPを実験的に分析。機器の開発や評価に留まらず、普及促進のための調査・分析にも取り組んでおり、同研究会では「産業用HPの特徴と技術動向」を演題に、産業用HPの技術的特徴を踏まえた国内外の技術動向、今後の課題・展望について詳述する。
 国内のCO2排出量の約4割を占める産業部門において、製造業・需要サイドの取り組みが重要課題となっている。JEHCの渡邉企画部長は、再生可能エネルギーなどの活用は拡大しているものの、同部門の電化率は低調で、特に熱利用については、未だ化石燃料が主となっていることを指摘。産業部門の熱利用、カーボンニュートラル達成のカギとなるのが、産業用HPをはじめとする電気加熱システム―との観点から、投入エネルギー以上の働きができる「産業用HPの普及に向けた取り組み」について解説する。