東電HD 福一廃棄物の分析体制構築へ加速
東京電力ホールディングス(HD)は、福島第一原子力の廃炉に伴う、固体廃棄物の分析人財確保に向けた取り組みを推進する。
戦略的に廃棄物の正常把握を進め、分析施設や分析人財といった必要な分析能力を確保するため、23年に同廃棄物の分析計画を策定し、年度ごとに更新している。分析体制の構築には、一定の期間を要するため、当面の間は日本原子力研究開発機構(JAEA)などの社外分析機関の協力を得ながら廃棄物分析を進める計画で、原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの技術支援や、経産省エネ庁、JAEAによる育成支援を受けるなど、オールジャパン体制で取り組んでいる。分析機能の整備にあたっては、人財確保を重要課題に掲げて、5年後の28年度末目標を設定した上で、昨年度から人財拡充の取り組みを進める。
分析は、分析作業者・管理者・技術者・統括者を配備して実施する。このうち、高度な分析技術を要し、また育成に時間が必要な分析技術者と、現場で分析作業を遂行する分析作業者の確保を重要課題としており、現体制の技術者4人、作業者96人から、28年度末までにそれぞれ9人、120人に拡大する。分析技術者は、社外による実務訓練、社内の反復訓練により育成すると共に、有識者、経験者を積極的に採用。作業者は、採用により増員し、順次実務訓練(OJT)や社外研修などを通じて計画的に育成する。
昨年度末時点で、技術者3人、作業者は12人を増員しており、引き続き東電HDは、目標達成に向けて取り組む。また、分析作業監理と分析データ管理を行う分析管理者は、現体制の16人から25人に増員する計画で、社内の配置転換、採用により昨年度、6人を増員した。廃棄物分野の分析については、今年度からコンクリート、土を対象に社内の反復訓練を開始する予定。燃料デブリ分野に関しては、燃料デブリ分析も踏まえて、JAEAが保有する茨城地区の分析機関において、今年度から実務訓練を行う見通し。なお同社は、20年代後半の竣工を目指して、廃棄物や燃料デブリを対象とした、総合分析施設の設計を検討している。
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