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規制庁 運転中保全に向けた現場実証に対応

 原子力規制庁は、運転中保全(OLM=オンラインメンテナンス)の適用に向けた現場実証の準備を進める。既報の通り、昨年12月に開催した「主要原子力施設設置者の原子力部門の責任者との意見交換会(CNO会議)」における、原子力エネルギー協議会(ATENA)からの提案を受けて、OLMの導入は、安全性向上につながる可能性があり、その適用に向けて、現場実証を行うことは意義がある―と判断。運転中保全に対する検査項目の案を記載した実施要領を作成した上で、規制庁の検査官が立ち会うかたちで現場実証を実施することを認めた。実証結果を踏まえ、必要な規制上の対応についても、検討を進める考えを示した。
 国内の原子力では、設備の分解点検など多くの保全作業が運転停止中に実施され、大人数の作業員が点検エリアに集中することによる作業環境の悪化や、限られた熟練作業員の活用率の低下などが課題となっている。その解決策として原子力事業者は、OLMの適用を提案。OLMを実施することで、年間を通じた計画的な作業量の確保や、作業負荷の平準化により、メンテナンスの作業品質向上、ヒューマンエラーや機器故障リスク低減に寄与し、運転期間全体としてプラントの安全性は向上する―との考えを示した。
 一方で、OLMにおける安全系機器の待機除外により、一時的にリスクは変動するが、適切にリスク管理し、リスク管理措置を施すことで、リスクの抑制・低減が可能―と指摘。メンテナンスのために待機除外となる、設備の一時的なリスク変動への措置や、不測事態の対応について検討するため、現場実証を通じて、机上検討では見いだせない課題や改善策を抽出したい考えを提示した。さらに、四国電力伊方3号機(89万㎾)の非常用ディーゼル発電機を対象に、予防保全の一環として現場実証の実施を提案した。