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東電HD DXで電力事業・基盤業務刷新へ

 東京電力ホールディングス(HD)は、電力の安定供給とカーボンニュートラルの両立を目指した取り組みの一環として、DX活動方針「TEPCO DX」をグループ大で推進する。徹底的なデータ化による事業構造変革を進めるもので、昨年12月には、同活動による変革の方向性や具体的な事例をはじめ、DX人財の育成、デジタルインフラの構築・利活用などを「TEPCO DX白書2023」として取りまとめた。同白書では、〇DX推進体制の構築、〇DX推進のエコシステム、〇DX人財の育成、〇企業風土の醸成、〇デジタルインフラの構築・利活用、〇サイバーセキュリティ―を基盤に、DXを推進する考えを提示した。
 具体的には、グループ各社社長・CFO・CIOなどで構成する、グループ横断のDXビジネス変革委員会を設置。
同委の下でDXプロジェクトを推進すると共に、グループ横断の直轄プロジェクトの組成、デジタルインフラの整備などにあたっている。DX人財の育成では、経営理念や事業戦略を踏まえたDX人財育成方針を策定。可視化・育成・配置の「リスキリング(新しい技術や業務に対応するために、スキルや知識を習得させる取り組み)サイクル」を回して、来年度までに、全社員の2割にあたる約6000人を、DX推進の中核人財として育成する。また、デジタルインフラの構築・利活用への基盤整備として「データの統合」「システムのモダナイズ化(現代化することでDXにつながる新たな価値を創出)」「データの民主化」を進める。
 これらの取り組みが評価され、同社はこのほど、経産省と東京証券取引所、情報処理推進機構が共同で実施する、今年度の「DX注目企業」に選定された。同注目企業は、特に企業価値貢献部分で注目される取り組みを実施している、企業に対して与えられる称号で、今年度は同社を含む21社が選ばれた。同選定で東電HDは、電力事業・基盤業務の刷新に向けて取り組む「再生可能エネルギー最大活用や送配電事業のイノベーション」「DX人財育成方針の策定とリスキリングの推進」「グループ全体のデータリソースを戦略的に活用する環境構築」などが高く評価された。