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北海道電 保有特許採用の人気冷蔵庫が話題

 北海道電力が開発・保有する特許技術を応用した「鮮度保持用LEDライト」搭載の人気冷蔵庫「AQUA(アクア)TZシリーズ」の最新モデルが今春、市場投入されることが決定した。既報のように北海道電は「地域経済発展への貢献と地域課題解決に向けた農業電化などの研究開発」を積極的に進めており、昭和電工と共同開発した「ジャガイモ緑化防止用照明装置(登録商標・ポテライト)」は、独自開発のLED照明の照射によってジャガイモの緑化と食中毒原因物質の生成を抑える効果が高いことから現在、全国の貯蔵施設などで広く利用されている。そのため、同技術を高く評価した家電メーカーのアクア(旧・三洋電機)が、主力商品である同社の冷蔵庫ブランド・AQUAに、北海道電の技術を活かした鮮度保持用LEDライトを標準装備させて21年に発売したところ、コロナ禍での家庭回帰やリモートの普及も追い風となって、冷蔵庫内の食材を長期間、新鮮に保てる優れた性能が支持されて人気商品となった。
 同冷蔵庫は、野菜室に北海道電開発技術を用いたLEDライトを設け、同ライトから照射される異なる2つの波長の光が、野菜の光合成やエチレンガスの発生を抑えることで、糖分の増加や軟化・腐敗の防止、葉物野菜の鮮度と色の鮮やかさの長期間保持、ジャガイモの発芽などを抑制するため「鮮度保持と発芽抑制の同時実現という家電業界初の高機能化」(アクア)を達成。同社の看板商品のひとつになった。アクアが、今月7日と来月4、11の両日に相次いでリリースする計4機種の24年版TZシリーズも、全機種に同ライトを標準装備すると共に、省エネ基準達成率を既存モデルの105%から119%にアップさせており、これによりフードロスやSDGsなどの「新たな社会通念」や、コロナ禍以降の消費者マインドとの親和性が高いことから「期待の新商品」(都内豊島区の家電量販店)となっている(税込市場想定価格は31万9000円~35万8000円)。なお、北海道電のポテライトは、同照明を導入した今金町農協(北海道今金町)が、2年間の運用により「年間40tの緑化ポテトの廃棄抑制により、収益向上につながった」(同農協)との成果が評価され、農業電化協会の19年度電化推進コンクールで大賞を受賞している。